- 簿記2級ネット試験は合格率高いの?
- 筆記試験とネット試験ならどちらが良い?
簿記2級のネット試験の合格率は、公式HPでも明かされていません。そのため、筆記試験とどちらを受けようか迷っている人も多いでしょう。
結論から言ってしまえば、ネット試験の方が受かりやすいのですが、近年ではその常識も変わりつつあります。
本記事では、簿記2級がネット試験の合格率、オススメの試験制度、勉強する上での秘訣を説明しています。
これを知りたい人に書いてます
- ネット試験の合格率
- 2つの試験の比較
- 受かりやすいかどうか
- どちらを受けたほうが良いのか
- 合格するために何をするか
記事を読めば、簿記2級のネット試験の合格率がわかります。また、受かるために必要なこともわかります。
【簿記2級】ネット試験と筆記試験の合格率
簿記2級試験は、資格試験の中でも簡単という意見と難しいという意見が半々という珍しい試験です。そして近年、筆記試験に加えてネット試験も開始され、ますます意見が割れてしまいました。
その筆記試験とネット試験の合格率を比較して、簡単なのか難しいのか見てみます。
ネット試験合格率
試験実施期間 | 受験者総数 | 合格者 | 合格率 |
2022/12~2021/3 | 72,643人 | 72,643人 | 37.7% |
2021/4~2022/3 | 106,833人 | 106,833人 | 38.1% |
2020/12~2021/3 | 29,043人 | 13,525人 | 46.6% |
平均合格率 | 39.15% |
簿記2級のネット試験の平均合格率は約39%です。
筆記試験合格率
回数 | 受験者総数 | 合格者 | 合格率 |
163回 | 12,033人 | 2,983人 | 24.8% |
162回 | 15,570人 | 3,257人 | 20.9% |
161回 | 13,118人 | 3,524人 | 26.9% |
160回 | 17,448人 | 3,057人 | 17.5% |
159回 | 22,626人 | 6,932人 | 30.6% |
平均合格率 | 24,44% |
過去5回分の合格率はこのような推移であり、5回分を平均すると約24%となっています。
これより2つの試験を比較してみます。
2つの試験の平均
- 筆記:24.4%
- ネット:39.2%
ネット試験の方が筆記試験よりも1.6倍の合格率となっています。
簿記2級は70点以上で合格と絶対評価での採点をされており、上位〇〇%が合格という相対評価ではありません。そのため回によっては、合格率の上下は激しく変わります。反面、努力を怠らなければ、必ず合格できる試験でもあります。
現段階では、ネット試験の方が合格率の観点から判断すると、受かりやすそうですがここ2年で合格率は大きく低下。さらに難易度調整が進んで、より難しくなる可能性もあるため、絶対に受かりたいのであれば、早めに受験する方が良いでしょう。
【簿記2級】筆記とネット試験の合格率の差
筆記試験とネット試験の問題に難易度の差はありませんが、合格率にはかなりの開きが存在します。その差であり、ネット試験が受かりやすいと言われているのには、大きく2つの要因が挙げられます。
合格率の差の大きな要因
- 選択肢や数値が簡略化
- 好きな時に試験を受けられる
具体的にどのようなことであるかは以下で説明します。
選択肢や数値が簡略化されている
ネット試験では筆記試験に比べて、数値は整理され、問題の選択肢が一定数で決まっています。数値の整理だとこのように簡略化されます。
筆記試験
ネット試験
- 流動資産 2,856,000円
と簿記試験では1の桁までびっしりと文字列が並んでいますが、ネット試験になると後ろの桁が0で統一されます。後ろが0で統一されることで、電卓での打ち間違いや繰上げの計算などが減るため、ウッカリミスを防ぐことができます。
また、選択肢の減少では特に仕訳での変化が顕著です。
簿記2級の仕訳問題では、筆記試験であると、総数25個の中から正しい選択肢の中から選ばなければいけません。
一方のネット試験であれば、設定されている6個の答えの中から、正しいものを選択すると形式なっています。
選択肢が1/4にまで減っているので、正解を選びやすく、時間がかからない形式となっています。
ただ、これら簡略化によって、計算ミスが大幅に減りやすくなっていますが、問題の難易度までは変わっているわけではありませんので注意しましょう。
好きな時に試験を受けられる
筆記試験には決まった日に試験が実施されます。
筆記試験開催日
- 6月:第2日曜日
- 11月:第3日曜日
- 2月:第4日曜日
一方のネット試験は、年に3回というような回数の縛りはなく、好きな日に試験を受験することができます。
ネット試験開催日
- 申込1週間以内
つまりネット試験では、試験までのタイムリミットを気にすることなく、自分が満足するまで学習することができます。
筆記試験だと試験日という決まったリミットがあるため、中には最後まで学習しきれない場合もありますが、ネット試験で受験すれば、自分が絶対に受かるというラインまで学習することが可能です。
中途半端な知識ではなく、試験に受かるまで学習できるので、合格率は上がります。
また、気持ちに余裕を持つこともできます。
筆記試験だと数ヶ月に一回の試験となるため、
絶対に落ちてはいけない…。
という思いの人も多いです。
このように数ヶ月に一度の試験では、緊張により自分の本当の力を発揮できない場合があります。
しかしネット試験であれば、先程も説明したようにいつでもどこでも受けられ、落ちてもすぐに申し込めば、1週間の内にもう一度試験を受けることも可能できます。
落ちても大丈夫!
と気持ちに余裕ができて、プレッシャーが減るので、本当の実力を発揮することができます。
どちらの試験を受けるべきか
筆記試験とネット試験はどっちがいい?
と思っている人にオススメしたいのは、ネット試験です。
上記でも紹介したように
- 選択肢や数値が簡略化
- 好きな時に試験を受けられる
の特徴がネット試験にはあるため、筆記試験よりも受かりやすい傾向になります。
合格率から考えても、
- 筆記:24.4%
- ネット:39.2%
と平均で1.6倍の差でネット試験の方が受かりやすいです。
また筆記試験に比べて、ネット試験ははじまったばかりの試験です。そのため、難易度調整を行っており、現段階では筆記試験よりも簡単な問題が出題されやすくなっています。
ですが、決して簡単な試験ではありません。時間をかけて丁寧な学習を行わなければ、試験に落ちることはよくあります。
事実、私はネット試験で一度落ちています。それに関してはこの記事で紹介。
簡単な試験だからと油断せずに、勉強をしてください。
ネット試験に受かるためにすること
ネット試験を受けよう!
と決めて勉強をはじめる前に少し待ってください。
簿記2級は何も考えることをせずに勉強していても受かることはありません。
- スケジュールを組む
- 参考書を吟味
- アウトプット重視
- 簿記3級の内容も学ぶ
スケジュールを組む
学習をはじめてから試験前日までのスケジュールを組むと、計画的な勉強が出来るようになり、学習効率が大きく上がります。
スケジュールのメリット
- 逆算的に学習できる
- 無理な学習をしなくなる
- 意味のない学習がなくなる
- 学習時間の短縮
- サボりにくい
特に期限が設けられていないネット試験においては、目標となる地点が決まるので、学習に身が入るでしょう。
日々やることもはっきりするので、
何をやろうか?
と考えることもなくなります。スケジュールは組んで損することはないので、必ず作成してから学習をスタートしましょう。
なお、以下の記事でスケジュール作成方法やポイントを紹介しています。
参考書の吟味
学習する際、参考書はあなたが簿記2級の内容を理解するために1番使用するものです。
その参考書が良いものであれば合格の可能性がグッと上がり、悪いものであれば可能性は下がってしまいます。簿記2級を取るための近道として参考書がとても大切になります。
テキストを選ぶ条件
- 最新シリーズかどうか
- 説明がわかりやすい
- 何度も出版されているか
- 自分の求めているものか確認
問題集を選ぶ条件
- 初心者でもわかるような解説
- 最新版であるかどうか
- 高い信頼性であること
この基準を外さなければ、参考書選びで失敗することはまずなくなります。意識して選ぶようにしてください。
そしてその参考書1冊を完璧に仕上げてください。
参考書はそれ1冊ですべてのことを学べるように編集。なので、1冊を完璧にすることで、簿記2級試験に受かるために必要な知識は身につきます。
筆者おすすめの参考書については以下の2つの記事で紹介しています。
アウトプット重視
アウトプットとは、自分の中にある知識を使えるようにすることであり、簿記2級において最も重要なものになります。
そしてここでいうアウトプットは、問題集などで問題を解くことです。いくらテキストで細かな知識を覚えても、実際に問題を解かなければ、頭の中の知識同士が身につきません。
身につかなければ本番になって、
見たことあるけど解けない…。
とまったく問題が解けないことも珍しくないです。
しかし問題を解いてアウトプットの練習を積むことで、自分の中に知識を落とし込むことができ、本試験であってもスラスラ問題の理解が可能になります。
参考書を眺めるだけのインプットよりも、手と頭をフルに使うアウトプットを重視することで大きく点数を上げられます。点数を上げるためにはアウトプットが絶対必要。インプットよりもアウトプットを重視してください。
簿記3級の内容も学ぶ
簿記2級は簿記3級の知識の上に成り立っているものであり、前提知識となる3級が身に付いていないと、理解することが難しいです。
簿記3級で学ぶこと
- 勘定科目の分類と帳簿のつけ方
- 仕訳帳と原始記録
- 財務諸表の作成方法
簿記3級は、簿記の基礎を学ぶための資格であり、根本となる知識を習得することが目的です。これらを履修することで、簿記の基本的な知識や会計の考え方を身に付けることができるので、簿記2級の取得には、まずこの資格を取得する必要があります。
めんどくさい…。
と思っても簿記3級の学習が最も早く簿記2級の取得に繋がります。
簿記3級に合格する必要はありませんが、内容の理解だけはしっかりしておきましょう。
簿記2級の合格率を素早く上げるために
早く合格したい!
こう思っている人は、簿記2級の資格講座を受講しましょう。
資格講座では独学で学ぶことができない様々なメリットがあります。
メリット
- 正しい解き方を学べる
- 高品質な教材が貰える
- 学習時間を短縮できる
- 合格サポートが受けられる
資格講座を使用することで、最低でもこれらのことを学べます。過去の実績から合格するために最も効果的なものを選んでいるので、独学よりもかなり早く受かります。
実際、一度落第してから私も使っていましたが、独学で進めるよりも明らかに理解のスピードが上がりました。合格スケジュールなども作成してくれたので、ペースを落とすこともありません。
でも、資格講座って7万近くするんじゃ…。
実はそれは今では間違いとなっています。
確かに通学型の資格講座は、高額な値段設定です。しかし、今回紹介している通信講座は通学型の半額以下の料金で受けられます。
その中でもスタディングは、業界一の安さを誇り、2万円以下での受講が可能です。
なお他の通信講座については≪【2023最新】簿記2級通信講座のおすすめ7社を経験者が完全分析!≫で紹介しています。
簿記2級ネット試験の合格率まとめ
- ネット試験の合格率は約39%
- ネット試験だと簡単になり日に縛られない
- 合格率だとネット試験がオススメ
- 受かるには4つのことをする
- 早く受かりたいなら通信講座を検討
簿記2級の試験はネット試験の方が合格率が高いです。パッと見ればネット試験の方が簡単ではありますが、学習を重ねていなければ受かることは絶対にありません。
ネット試験だからといって油断せずしっかりと学ぶようにしましょう。
人気記事 【2023最新】簿記2級通信講座のおすすめ7社を経験者が完全分析!