警察庁の仕事って?
試験の流れは?
受験要件や採用人数は??
こうした疑問に答えていきます。
警察庁で仕事をしている人に聞いたり、実際に私が総合職を受験した時のことを参考にして記事を作成しています。
本記事の内容
- 警察庁の仕事について
- 試験の流れや日程
- 採用人数
- 警察庁に採用される難易度
- 試験日程について
この記事を読み終えると、警察庁に採用されるまでの過程がわかり合格までの道筋を立てることができるようになります。
この記事を書いている人
元公務員ターナーの自己紹介
高学歴、法学部出身というわけではありませんが、大学2年の時から資格を取得しつつ、公務員の勉強を開始。
結果=国家公務員総合職に現役で合格。
他にも(一般職・国税専門官・県庁・市役所)などにも内定しているので、公務員志望者の不安や疑問点を解消します。
— 知識図書館(公務員試験・資格ブログ) (@TandH_blog) November 7, 2020
警察庁の仕事とは
警察庁の仕事とは、警察組織全体に関する政策の企画立案や全国の警察の指揮監督をすることです。
実際に犯罪者を捕まえることはありません。
なので警察庁職員の仕事は、現場へ赴く体育会系の仕事ではなく事務系の仕事なんです。
警察庁の事務系の仕事は、さらに7つの部局に分かれます。
それが以下のようになります。
- 長官官房
- 生活安全局
- 刑事局
- 組織犯罪対策部
- 交通局
- 警備局
- 情報通信局
それぞれが大きく違った仕事をしています。
例えば、交通安全に関する事務やテロ事件に関係する事務などです。
この他にも警察庁は、さまざま仕事をしています。
より詳しいことは以下の記事で紹介してるので、警察庁の仕事について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
警察庁に採用されるまでの試験step
警察庁に入るためには以下のようなステップを踏む必要があります。
- 申し込み
- 一次試験
- 二次試験
- 官庁訪問
- 採用
警察庁は国家公務員であるため、官庁訪問という他の試験にはない1ステップが追加されているんです。
次からは各段階ごとの説明をしていこうと思います。
一次試験
一次試験は、筆記試験になります。
択一試験、いわゆるマークシートで正解のものを選ぶテスト方式です。
5つの選択肢のうち、1つの正解をマークするものになります。
その択一試験の出題科目は、事務系と技術系で大きく違います。
テストで高得点を取れるように違いを理解しておきましょう。
試験を受ける区分が多いので事務系に関しては「法律区分」を、技術系に関しては「数理科学・物理・地球科学」で説明していきます。
事務系(法律区分)
- 基礎能力試験(40題解答)
- 知能分野27題
- 文章理⑪、判断・数的推理(資料解釈を含む。)⑯
- 知識分野13題
- 自然・人文・社会⑬(時事を含む。)
- 専門試験(49題中40題解答)
- 必須問題(31題解答)
- 憲法⑦、行政法⑫、民法⑫
- 選択問題(18題中9題解答)
- 商法③、刑法③、労働法③、国際法③、経済学・財政学⑥
技術系(数理科学・物理・地球科学)
- Ⅰ部(5題解答)
- 基礎数学・情報数学
- Ⅱ部(次の選択A、Bのうち1つ解答(10題)解答)
- 選択A 数理科学系:線形代数、解析、確率・統計
- 選択B 物理・地球科学系:基礎物理、地球科学
- Ⅲ部(17科目90題中25題解答)
- 集合・位相、代数、幾何、解析、確率・統計、情報理論、計算機数学、離散数学、数値計算、数学モデル、オペレーションズ・リサーチ、経営工学(経営数学・生産管理・品質管理)、物理数学、古典物理学、現代物理学(物性物理学を含む。)、地球物理学、地質学
総合職、一般職ともに上記の科目を解くことになります。
加えて一般職では、論文試験が追加されます。
事務系のテーマは「これからの日本社会についてのテーマ」、技術系のテーマは「受ける試験に応じた専門テーマ」です。
どちらも普段からの勉強や新聞等で知識を蓄えておかないと、部分点すらも獲得できないのでしっかり対策は重ねておきましょう。
二次試験
二次試験は、人物試験が課され、国家総合職は論文試験も対象になります。
まず人物試験についてですが、人物試験は面接試験になり、15分の時間のなかで面接官3人との質問と回答を繰り返していきます。
国家公務員の面接試験は時間が短いので、効率よく質問をしていく必要があるんです。
聞かれることは、学生時代の経験。
学業、アルバイト経験、サークル活動、ボランティア活動等々さまざまなことです。
しっかり対策ができれば、試験に落ちることはなくむしろ加点分野になります。
こちらの記事に面接試験のコツなどを載せておきますので、参考にしてみてください。
次は論文試験についてです。
論文試験は出題されているもの中から、何題かテーマを選択し解答していく試験になります。
今まで習ってきた法律や経済、技術の系の知識を総動員しなければ解けないものが多いため、対策を重ねておかないと不合格になることも少なくありません。
普段から集中力と周囲にアンテナを張って、生活をしていきましょう。
また論文試験は、国家総合職、国家一般職で出題の傾向が違うので、注意してください。
皆さんのために、私が土壇場で知識や解き方を身に着けた方法を下に載せておきます。
専門記述では使えませんが、公共政策や行政課題には使える知識なので一度参考にしてみてください。
官庁訪問
官庁訪問は、最終合格後に行う省庁別の採用試験になります。
国家総合職と国家一般職に最終合格してもそこで終わりではなく、警察庁に採用してもらわなければ警察庁の職員にはなれません。
警察庁の官庁訪問は、二次試験の面接試験をさらに詳しくするものになります。
自分が何を思い行動して、なぜ警察庁の職員になりたいのか。
しっかり芯のある回答が求められます。
官庁訪問について知りたい人はこちらの記事を参考にしてみてください。
採用年齢や受験要件について
警察庁には、採用年齢や受験要件が存在します。
年齢やその他の要件については以下のようになります。
【大卒2021年版】
1.1991年(平成3年)4月2日~2000年(平成12年)4月1日生まれの者
2.2000年(平成12年)4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの
(1)大学を卒業した者及び試験の実施年度の3月までに大学を卒業する見込みの者
(2)人事院が(1)に揚げる者と同等の資格があると認める者
【高卒2021年版】※年齢要件はなし
(1) 2021(令和2年)年4月1日において高等学校又は中等教育学校を卒業した日の翌日から起算して2年を経過していない者(2019(平成31年)年4月1日以降に卒業した者が該当します。)及び2022(令和4年)年3月までに高等学校又は中等教育学校を卒業する見込みの者
(2) 人事院が(1)に掲げる者に準ずると認める者
【その他の要件】
日本国籍を有しない者
国家公務員法第38条の規定に該当する者
禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまでの者又はその刑の執行猶予の期間中の者その他その執行を受けることがなくなるまでの者
一般職の国家公務員として懲戒免職の処分を受け,当該処分の日から2年を経過しない者
日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
平成11年改正前の民法の規定による準禁治産の宣告を受けているもの(新進衰弱を原因とするものを除く)
以上のような要件が課されます。
年齢の要件等を確認しておかないと、間違えて申し込んでしまい試験当日、要件に当てはまらないことがあります。
大卒採用や高卒採用の他、キャリア採用もあるので年齢が比較的高い人も割と受けられますね。
警察庁の採用人数を調べてみる
警察庁に採用される人数は多くありません。
実際の総合職で採用された過去3年分の人数を見てみましょう。
事務系 | 技術職 | |||
採用年 | 院卒程度 | 大卒程度 | 院卒程度 | 大卒程度 |
2019年 | 1人 | 16人 | 6人 | 5人 |
2018年 | 1人 | 16人 | 4人 | 3人 |
2017年 | 0人 | 19人 | 12人 | 4人 |
※出典:人事院
以上の表のようになっています。
例年、院卒者と大卒者を合わせて30名ほど採用されています。
国家総合職の最終合格者1,800人の中から30名程度の狭き門です。
警察庁採用の難易度が高いと言われる理由
警察庁の難易度は全公務員の中でも非常に高いレベルにあります。
警察庁採用の難易度が高い理由は、純粋な順位で採用される人が決まるからです。
とりわけ一次試験の学力での判断になります。
国家公務員試験は一次試験、二次試験、官庁訪問を通した総合力で合否が決定します。
その中でも官庁訪問の加点は大きく、一次試験、二次試験の点数は低くても希望の官庁に入れることは珍しくありません。
しかし警察庁では、違います
官庁訪問で好感触であっても、合格順位の入れ替えが発生しないと言われています。
純粋な学力の差。
つまり頭のいい人が採用されることになります。
これが難易度が高いと言われる所以です。
また採用人数の割に志願者が多いことも難易度を上げている理由の一つになります。
いろいろな理由を総合すると、警察庁の難易度は全省庁の中でも極めて高いと言えます。
総合職・一般職の警察庁採用までの日程
総合職・一般職の警察庁採用までの詳しい試験日程について説明していきます。
某ウイルスの影響で日程がめちゃくちゃな今年度を除いた2020年と、一般職に関しては2019年度もめちゃくちゃだったので2018年度のデータを載せておきます。
国家総合職(2019)
試験名 | 日付 |
一次試験 | 4月28日 |
一次試験合格発表 | 5月10日 |
二次試験(筆記試験) | 5月26日 |
二次試験(人物試験) | 5月28日~6月14日 |
最終合格発表 | 6月25日 |
官庁訪問 | 6月26日~7月9日 |
国家一般職(2018)
試験名 | 日付 |
一次試験 | 6月17日 |
一次試験合格発表 | 7月11日 |
二次試験 | 7月18日~8月3日 |
最終合格発表 | 8月21日 |
官庁訪問 | 8月22日~8月29日頃 |
およそ2か月間にわたり試験が行われていきます。
この他に試験を受ける人や民間企業との併願を考えている人は気をつけておきましょう。
警察庁採用についてのまとめ
- 警察庁は警察の総司令で国家を守る警察
- 試験は一次試験、二次試験、官庁訪問と3stepある
- 年齢要件以外にも国籍要件などがあるため注意する
- 採用人数は例年30人程度
- 警察庁は学力主義
- 試験日程は2か月ほどある
警察庁は国家公務員の中でもエリート中のエリートが採用されるものです。
国家の安心・安全を守るため、高度な判断力や決断力が問われます。
どんな大学でも学力と判断力と決断力があれば、採用される見込みはある。
努力を重ねてエリート幹部慣れるように頑張りましょう。
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