- 裁判所の面接はどんなこと聞かれるの?
- 本番までにやっておくべきことはある?
絶対に失敗しないために、裁判所事務官の面接で何を聞かれるか知りたい人も多いと思います。
私も専門性が高く、聞かれる範囲が幅広い裁判所事務官の質問とそれに対する回答を知りたいと思っていました。
ここでは一般職の裁判所事務官を突破した私が実際にされた質問とその回答を解説しています。
これを知りたい人に書いています
- 裁判所事務官の面接形式
- どのような質問がされるのか
- 合格者の実際の答え方
この記事を読み終えると、裁判所事務官の面接で実際にされる質問とその答え方がわかり、自分がどう答えればいいかイメージがつきます。
裁判所事務官の面接について
裁判所事務官の面接は、筆記試験突破後に行わる試験であり、一般職では二次試験、総合職では三次試験で行われます。
その面接試験では、コンピテンシー面接といわれる面接試験が実施されます。
- 今まで体験した事について深堀
- 何を感じ考えて行動しているかを知る
受験生の内面をより深く知ることを目的とした面接方式です。自分のことを客観的に見てまとめておかないと高い評価はもらえません。
また他の国家公務員試験と違い、面接時間が長いことも特徴であり、一つの質問に対して恐ろしいぐらい深堀されます。
なので、自己分析や説明能力の向上などの対策を重ねていないと簡単に不合格になってしまいます。面接受ける前に、入念な準備を整えて試験に備えが必要です。
なお、裁判所事務次官の面接の概要についてより詳しい知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
面接前には2つのことを実践
面接に挑む前に必ずやっておいてほしいことがあります。
それは以下の二つです。
- 面接カードを作りこむこと
- 裁判の傍聴に行くこと
これらをやっておくことにより、合格率に雲泥の差が出ます。さらに面接を自分の意のままに操れるようになるので、絶対にやっておきましょう。
面接カードを作りこむ
裁判所事務官の試験をはじめ、公務員試験では面接カードを見て面接官は質問を行います。気になった項目に対して質問をするので、面接カードの書き方で質問を絞らせることも可能です。
その方法が書く文量の調節とキーワードの盛り込み方です。
聞いてほしい部分には、書く文量は気持ち多めに書いて、面接官が気になるようなキーワードを盛り込みます。
私はダンスサークルのことをアピールしたかったので、ダンスサークルに入った理由と起こった出来事、入賞した大会のことを書きました。
キーワードを盛り込み文量も多かったので、狙い通り面接官に興味を持ってもらえて長い時間アピールすることができました。
そしてアピールができない項目は、あえて内容は薄く内容は専門性を持たせて書きます。
質問されてもアピールできないので、時間を取らせたくありません。相手の興味をそぎ落として、ムダな質問を避けます。
ちなみに私はゼミの内容を聞かれたくなかったので、ゼミ生しかわからないようなことを専門用語を交えて書き、面接でもあえてわかりづらく話しました。
この方法でアピールできる項目のみに注目を行かせることができます。
なお、より正確な書き方や他の高得点のコツについては、こちらの記事を参考にしてください。
読み終わった後には、きっと面接カードが上手に書けるようになっています。
裁判の傍聴に行くこと
裁判所の傍聴は裁判所事務官を志望している人でも、あまり行くことはないものです。その傍聴に行くことで、面接官に対して志望度をアピールでき、志望動機も強固で作りやすくなります。
受験生の皆さんは、説明会には必ず参加すると思います。
説明会は仕事内容や情報収集の場として、参加しないと試験に不利になってしまうもの。試験を有利に進めたいため、多くの受験生は説明会に参加をします。
しかし裁判の傍聴は、必ず参加しなければならない説明会とは違い、関係ないプラスαのものになります。
プラスαのものにわざわざ勉強時間を削って参加することは、面接官の目にはこう映ります。
第一志望に違いない。
こう思ってもらえれば、合格はグッと近くなります。
また、志望動機で「裁判の傍聴を見学してです。」といった志望動機を補足する内容に使うことも可能。志望動機の熱量を上げることもでき、簡単に志望動機を作ることもできます。
最近では裁判所事務官を辞退して、地方公務員に流れる人も多く、裁判所も志望度の高さを一番に考えています。そのため、傍聴に行くことで合格できる確率が上がっていることも事実です。
必ず合格したい人であれば、裁判の傍聴には参加するようにしましょう。
裁判所事務官の面接質問集・回答集
今回の裁判所の実際の質問に関しては、裁判所の面接カード限定の質問項目と志望動機だけ解説していきます。
「あなたがこれまでに個人として力を入れて取り組んできた活動や経験」や「あなたがこれまでに目標達成に向けて周囲と協力して取り組んだ活動や経験」の項目については別の記事に詳しく書いています。
なのでそちらを参考にしてみてください。
裁判所職員を目指した志望動機
志望動機はあなたの裁判所職員への熱意を図る項目です。ここでどれだけアピールできるかで、合格に近づくことも遠ざかることもあります。
様々な経験を積んで準備しておいてください。
Q:志望動機は何ですか?
A:説明会を聞いて・・・。裁判の傍聴を聞いて・・・。ドラマや映画を見て・・・。
ここでは具体的な回答が求められています。「○○をしたから入庁したい!」というような明確さが重要です。
志望動機は、組織へどれほど入りたいかをアピールするところになります。その答えが即答できなかったり、曖昧な答えであると志望度が低く見られます。
逆にはっきりと答えることができれば、
裁判所が第一志望だな。
と思ってくれます。良い評価を得るために必ず志望動機を作り上げてください。
私が話した志望動機はこのような感じでした。
このように「志望した理由は明確にありますよ。」と説明。よくある理由ではありますが、面接官の印象は悪くありませんでした。
この後には以下のような項目が質問されたので、以下のように回答をしてください。
- Q:いつから志望し始めたのか
- A:説明と傍聴に参加した時期を答えましょう。(3年生の早い段階がオススメ)
- Q:何を思って志望しているのか
- A:裁判所職員で何をしていきたいか答えましょう。(事務官として各部門の手続きを正確にし、ゆくゆくは書記官として働きたい。)
- Q:説明会に参加してどう変わった
- A:実際に説明会で気になった仕事を詳しく話しました。(自分は裁判所書記官のことを詳しく話しました。)
- Q:どんなキャリアを積んでいきたいか
- A:ゆくゆくは裁判所書記官になり、より高度な事務処理を行っていきたい。
これらの質問については、私の友人も聞かれていた内容です。ほぼ必ず質問される内容であるので、絶対に準備しておきましょう。
それと注意してほしい点が一つあります。
ここを間違えていると、仕事を理解していないことになるので確実に不合格になります。
裁判所事務官の仕事は、判決を下す人ではなく、あくまで裁判の補助。補助する立場ということを意識して、志望動機は考えていきましょう。
面接は志望動機が命なので、明確な志望動機を構築しておいてください。
自分の短所の質問と回答
短所は自分の弱点部分が分かっているか聞かれる項目です。しかし、これもただ答えればいいわけではなく、面接官との駆け引きが存在しています。
Q:短所は何ですか?
A:〇〇しすぎること・長所の裏返しで答えましょう。
短所は本当に自分の良くない部分を答えるわけではありません。相手へマイナスポイントをどれだけ取らせないかが重要になります。
そこで言い方を工夫する必要があります。
- 〇〇できません。
- 〇〇しすぎてしまうことです。
というのでは、どちらの方が聞こえがいいでしょうか?後者の方ができないわけではないので、聞こえがいいと思いませんか。
悪い点でもあるけど、良い点でもあると受け取ることができるので、面接官への印象はそこまでマイナスにはなりません。
長所の裏返しでも同じことであり、面接官への印象は悪くはなりません。
それ加えて、「今は改善中です」ということも忘れずに言いましょう。短所を短所のままにせず、改善できる人間だというアピールも大切です。
ちゃんと向き合っているな。
と面接官も思い、短所の項目でも加点評価を貰うこともできます。
短所の項目を短所だけではなく、自分のアピールポイントにしてしまう話し方である「〇〇しすぎるor長所の裏返し」と答えましょう。
自己PR
自己PRは裁判所事務官の試験に関係なく、どのような試験でも質問されます。ただ、一風変わった自己PRを要求されることも珍しくありません。
Q:3分間で自己PRをしてください
A:私は○○な人間です。からはじまる3分でできる自己紹介をしてください。
ここでは自己PRも大切ですが、何よりも時間の感覚が大変重要になります。制限時間を設けた自己PRで面接官は、練習量を確認してくることがあります。
概ね時間内に抑えることができれば、
たくさん練習したんだな…。
と思ってくれます。
面接会場には時計などの時間を確認できるものが飾ってあることは少ないので、必ず時間内に抑える自己PRの定形文を考えてください。
なお、3分が一番多いですが、1分や5分バージョンもあるので油断しないでください。
裁判所事務官の面接限定の質問と回答集
上で紹介した内容は面接カードに沿ったものであり、確実に聞かれる内容になります。ただ、裁判所の面接には、他の試験は聞かれることのない内容が聞かれることも多いです。
そちらへの対処も心得ておかないと、うまくいっていた評価もマイナスになってしまいます。それを防ぐために、自分が質問されたらどう返すかも考えてください。
Q:交通違反をしたことはあるか?
A:あります。(違反した人でないと聞かれません。)
交通違反をしたことがある人は必ず聞かれるものです。ある場合は、嘘をついてもすぐにわかるので、正直に答えてください。
受かりたい気持ちはわかりますが、面接で嘘をつくのは厳禁です。嘘をついていることがバレると、職員として不適切とみなされ、面接に落ちてしまいます。
交通違反の質問では正直さが重要です。必ず正直に違反の有無は答えてください。
そして交通違反があると答えた場合、面接官から深堀の質問をされます。
Q:なぜ起こしたのか。その後、どうしたのか。
A:起こした理由と改善案を答えてください。
この質問では、自分を客観的に見つめ直し、分析できているか。失敗を踏まえた行動をしているかが聞かれています。
交通違反に対して向き合えていれば、同じ過ちは犯さず成長できる人間とみられます。
「なぜ起こしたか」「どう改善したか」を明確にできていれば、交通違反していても悪い評価にはなりません。
私の友人はこのように答えていました。
と現状の分析と反省を述べています。
交通違反をした場合は、正直に話し「なぜ起こしたか」「今後どうしていくか」を交えた回答してください。
Q:裁判員制度をどう思っているか?
A:裁判員制度の簡単な仕組みと世論、自身の考えを述べましょう。
裁判員制度は裁判所が現在も肝入りで行なっている制度の一つです。裁判所に関わる仕事をしているなら、知っておかなければならないものになります。
知っていることをアピールするために、仕組みと世論を面接官に話して、「私はこの制度のことを理解していますよ」と伝えましょう。
その後に自分がこの制度に対してどう思っているかを述べれば、悪い評価を貰うことはありません。
しかしここでも一つ注意点があります。それは、制度を批判しないことです。
制度は幹部が知恵を出し合い最善と思われるものを実行しています。業務も知らない若者に批判されたら、面接官もカチンときますよ。
そうでなくとも採用希望先の取り組みを批判するなんて、就活生としてありえません。
それを踏まえて、私がこの質問をされて時にこのように答えました。
- Q:裁判員制度をどう思うか。
- A:私は裁判員制度は、とても良い制度だと思います。普通に生活していたら関わることのない裁判所の仕事や公判などがわかり、国民が裁判をより近いものと感じ、裁判に関心を持って貰えるからです。
- Q:裁判員制度に否定的な意見があることはどう思うか。
- A:確かに裁判員制度には、「精神的な負担が大きい」というような意見があります。しかし、アフターケアはしっかり行われており、メンタル面でのケアはされているように私は感じます。また、裁判員制度を経験した人達からはネガティブな意見は少なく、経験したことない人が否定的な意見をしている場合が多いです。なので、裁判員制度の内容を今まで以上にアピールしていくことで、否定的な意見は少なくなるのではないかと思います。
このように答えました。
制度を理解したうえで肯定的な意見を言って、否定的な意見はせずに制度面ではなく広報面で改善案を出す。
私はこの答えで悪くない反応を貰いました。制度批判した場合は、必ずと言っていいほど落ちます。十分に注意してください。
Q:なぜ総合職ではなく一般職を受験するのか?
A:簡単だからという理由はやめてください。
正直な話、この質問は明確な答えがありません。仕事の幅や給料面で比べても、総合職と一般職のどちらがいいかといえば、もちろん総合職です。
誰だって総合職になれることなら、総合職になりたいと思います。それでも一般職を受ける理由としては、
簡単だから!
だと思います。私もそう思って裁判所事務官の試験を受けました。
しかし正直に「簡単だから」と答えると、面接官に
業務内容を知らないのか…。
と思われてしまいます。業務内容等で判断していないため、良くない回答です。
だから私は、「父の知り合いが裁判所事務官の一般職をしていた。」と周りの人を巻き込んだ回答をしていました。
この回答の利点は身近な人にいることで、仕事を理解したうえで選んでいるとアピールできることです。面接官もこの回答ならしっかり考えていることがわかり安心できます。
裁判所事務官の職務内容は説明会で知っていたので、身近な公務員の知り合いのエピソードとすり替えるだけで話せたし、面接官の感触は良かったです。
架空の話でもバレない程度にすり替えて話せば問題ありません。この質問には明確な答えを準備してください。
Q:裁判所職員におけるコスト削減において気をつけることはあるか?
A:質を落とさないことと答えましょう。
裁判所も裁判のために無制限に支出ができるわけではなく、限られたコストの中で業務をします。必要以上の支出は許されず、常に支出の削減に悩まされています。
そのためコストを下げることは、いつも挙がる課題の一つであり、裁判所事務官を志望する受験生にも質問が飛んできます。
その課題解決のための答えとしては、「コストを下げた結果、質を落とさない」ことです。
基本的にコストを下げると、業務遂行のレベルは減少します。処理能力の減少、ミスの誘発、やる気の低下など挙げ出したらキリがありません。
仮に民間に委託してコストを下げても、個人情報管理や業務の処理能力に疑問が残ります。
結果、公平・公正な裁判ができなくなる可能性が高いです。それは司法機関として致命的なことであり、絶対に起こしてはいけないものです。
つまり、裁判の質を低下させないようなコストダウンをしていかなければいけません。
だから答えとしては「裁判の質を下げないように、業務を煩雑にさせない制度設計が必要であり、時間も有効的に活用する。DX化を促進させて、場所による制約や事務の手間を減少させる。」というような答えが望ましいです。
「気をつけることは特にありません。」はNGです。質の維持という面で話を膨らませてください。
裁判所事務官の面接質問集・回答集まとめ
- 面接はコンピテンシー面接
- 「面接カード」と「裁判の傍聴」の二点は重要
- 実際の質問集・回答集
裁判所事務官の面接は時間が長いため、かなり奥まで深堀されます。入念に準備をしていかないと、深堀りされて不合格になるでしょう。
実際に私の友人でも面接官に深くまで聞かれすぎて、回答できず不合格になってしまった人が何人かいます。
皆さんは質問を想定しつつ、自身の経験を見つめなおし完璧な面接にしてください。
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