・国家総合職の論文試験って?
・準備すべきことはあるの?
・専門記述で簡単な教科はある?
・記述対策はどうすればいい?
こうした疑問に答えていきます。
実際に複数の国家公務員試験に合格した私が、総合職論文試験の勉強方法や勉強前にやっておくべきことなどを解説します。
本記事の内容
- 国家総合職二次試験の論文試験とは
- 専門記述を解くために必要な準備
- 専門記述で選ぶべき3教科
- 憲法・行政法・公共政策の記述対策
記事を読み終えると、専門記述試験の勉強方法や解答方法がわかり、総合職の論文試験が簡単になります。
国家総合職二次試験の論文試験とは
国家総合職の論文試験は「専門記述試験」と「政策論文試験」に分かれます。
専門記述試験は「区分別の必須回答の科目についての論述」であり、政策論文試験は「国の課題をどのように解決していくか検討するもの」になります。
この2つの論文をクリアすれば、二次試験は半分おしまいです。
かなりの難題になるので、しっかり勉強をしてく必要があります。
今回は私が受験した法律区分の専門記述試験について説明していきます。
政策論文について知りたい方は下の記事をご覧ください。
関連記事 政策論文が苦手だった私が一か月で国家総合職に合格した勉強方法
法律区分の専門記述とは
法律区分の専門記述試験は、憲法・民法・行政法・国際法・公共政策(A,B)から、任意の3題を選んで答えていく試験になります。
総合職の専門記述は、他の試験と違いハイレベルです。
基本的に完答することはできません。
評価の対象になるポイントを押さえて、部分点で稼いでいくと思ってください。
例年、対策に失敗して専門記述で足切りになる人がいるので、しっかり勉強しておく必要があります。
国家公務員総合職試験の専門記述を解くための準備はコレだ!
専門記述を解くための事前準備として必要なことを説明していきます。
この準備をしているかしていないかで、解ける問題の数や解くスピードが大きく変わるので絶対に行ってください。
私は国際法を選択していないため、国際法に関しての準備は省略させてもらいます。
では、説明をしていきます。
憲法・民法・行政法解答の準備
憲法・民法・行政法を解く際には、法律に関する知識が必要になります。
そのために、一次試験の時に勉強した判例のポイントを押さえておきましょう。
なぜなら論文試験の法律科目は、だいたい判例を少しいじったものが出題されるからです。
判例のポイントを勉強することで、言葉が少し変わっていても簡単に対処できます。
加えて、その判例が条文の何条にあたるのか、特定の行為をする場合にどの点に気をつけるべきかを考えながら覚えていくようにしてください。
そうしておくことで、論文試験の得点となるワードになるため、点を稼ぐことができます。
公共政策A・B 解答の準備
公共政策A・Bは問題解決に必要な知識が大切とされます。
知識を獲得するために、新聞やネットニュースを観ることが大切になります。
なぜなら新聞やネットニュースは、効率的に情報収取をすることができるからです。
現在の日本が抱える問題を読み取っておかないと、絶対に問題なんて解くことはできません。
それを読み取るのに、新聞やネットニュースは最適です。
いろいろな情報が飛び交っているので、さまざまな考え方を見ることもできます。
これらを覚えることで、公共政策を解ける準備ができます。
専門記述対策は憲法・行政法・公共政策を選ぶと高得点が取れる
専門記述試験は、憲法・行政法・公共政策を選んでください。
なぜならこの3つは民法と国際法に比べて簡単で点が取りやすいからです。
民法は新しい観点からの問題の出題や出題問題の答え方がはっきりしないため、得点にすることが難しい傾向にあります。
国際法は法律区分で受験していると、択一でガッツリ勉強していない人が多いので、厳しいくなっています。
逆に憲法・行政法・公共政策は型があり、論文の中に盛り込むキーワードを覚えれば対応できる問題が多いです。
また、択一試験の勉強でしっかり勉強しているため、解答のポイントがわかりやすい傾向にあります。
実際に択一試験の勉強を頑張った私は憲法、行政法、公共政策についてそこまで勉強はしませんでした。
短時間でもいい点数が取れていたので、とてもオススメの教科になっています。
国家公務員総合職に合格できる憲法・行政法・公共政策の記述対策
私が実践していた論文の勉強方法をご紹介したいと思います。
民法と国際法は申し訳ないのですが勉強していないので、他の人を参考にしてください。
では、説明していきます。
憲法の記述対策【国家公務員総合職】
憲法記述の勉強法は、基本的にいろいろ覚えることになります。
ということで以下の3点を意識して覚えてください。
- 何条がどの権利を保護しているのか覚える
- 有名な判例の中で使用されているキーワードを覚える
- 判例を覚える
憲法で得点をとるには、問題ごとにあてはまる条文と特定のキーワードを判例の流れに沿って書かなければなりません。
そのためこの3点を意識して覚えていかなければいけません。
わかりにくいと思いますので例を挙げていきます。
「小売市場許可制合憲判決」を例にすると
1憲法22条第1項で職業選択・営業の自由が保障されていること
2積極的基準なのか・消極的基準なのかの説明
3立法府の裁量権は違反していないか
4結論で憲法に違反しているか、違反していないか
どうでしょう?
簡単にまとめてはいますが、要点は確実に抑えてありますよね?
このように上で紹介したポイントが、流れに沿って解答をしてください。
そうすれば、絶対に平均点をもらうことができます。
平均以上を狙う場合は、判例の付随的な文言を追加で書くと、評価が上がります。
その際も上で紹介したポイントを意識しないと点が入ることはないので、しっかり意識しておきましょう。
憲法の記述試験を解くための勉強方法を知りたい人はこちらをチェック!
関連記事 公務員試験の憲法は暗記が命!参考書・勉強方法・コツを丁寧に説明
行政法の記述対策【国家公務員総合職】
行政組織法と行政救済法をしっかりと覚えましょう。
なぜなら問題でほぼ必ず聞かれることになるからです。
行政法の主題傾向は、(1)(2)(3)の小問に分かれています。
小問の(1)では、訴訟類型や処分性などの行政組織法や行政救済法について聞かれます。
小問(2)(3)では、問題の展開に沿って、判例の型に当てはめていく問題です。
なので、聞かれているキーワードの説明と判例を覚えてください。
そうすることで確実に点を取り、合格点まで届くようになるからです。
簡単な例題と解答で得点を獲得するコツを紹介します。
このような問題が出たとします。
問題の答えは、理由を明確に説明してキーワードや判例を踏まえた以下のような解答をしていきます。
解答はこのような流れでしていくことになります。
どうでしょう。
よくある流れの解答の中に、キーワードをふんだんに使っていると感じませんか?
今回の問題でいえば、「建物の取り壊し」「代替的作為義務」「代執行」などの言葉がキーワードになります。
こうしたキーワードが書けていれば、部分点は入るので0点ということはなくなります。
行政法の詳しい勉強法についての記事はこちらにあるので、効率的に勉強したい人は、こちらを参考にしてみてください。
関連記事 公務員試験の行政法は流れ理解が重要!参考書・勉強方法を説明
公共政策の記述対策【国家公務員総合職】
公共政策の記述対策は、目的・対象・手段を明確にして答える必要があります。
どうしてかというと、目的・対象・手段が書けていない政策は根拠がはっきりしないため、不明瞭な論文になるからです。
公共政策は目的・対象を明確にして、問題を解決する手段として、必要な行政行為をするものになります。
つまり1つでもかけた論文になると、政策ができなかったりやる意味のないものになってしまうんです。
だからこそ、目的・対象・行為を盛り込み、行政行為を盛り込んだ論文を意識してください。
次からは政策に必要な行政行為を紹介します。
政策に必要な行政行為
政策に必要な行政行為とは、「特定の問題を解決するため」や「問題を未然に防ぐため」に行政が国民や他の行政機関に対して、特定の方向へ誘導し政策実現を達成しようとするものです。
要約すると目的達成のために公務員が行う行為です。
これにはいろいろな種類があるため、すべての行政行為を知りたい人は行政法で確認することをオススメします。
今回は公共政策でよく使われる代表的なものを紹介します。
その代表的な行政行為は、規制・補助金・行政指導の3つです。
規制
規制とは、ある組織が行う活動によって、他の組織や国民に危害が及ぶことを心配される場合に公権力を行使し、当該活動を規制して中止させようというものです。
規制を考える際には、どの程度規制するか・罰則はつけるのか・財政面の問題など考えなくてはなりません。
なぜなら不当に制限したり、財政面を考えないと訴訟問題に発展するからです。
規制の例としては、「企業による公害の発生で、周辺住民に危険が及ぶことが予見できるため、企業の活動を中止させる」になります。
規制は国民の自由な活動を制限するものなので、憲法違反になりやすいものです。
なので、むやみに規制をすることはできないということを覚えておいてください。
補助金の交付
国民の自由を制約せず、強制することがない手段が補助金の交付です。
補助金の交付に際して、「財源はどうするのか」「どの程度給付するのか」「給付要件はどうするのか」などを決める必要があります。
なぜなら日本の財政的に財源には限りがあるからです。
給付する際には「給付する要件」や「どの程度給付するか」明確に決められています。
それを踏まえた答え方をしなければ、得点に結びつかないので気をつけましょう。
補助金の例は、「感染症が蔓延しているときに飲食店の営業を自粛してくれたら、補助金を配布する」が皆さん一番わかりやすいと思います。
行政指導
行政指導とは、法的な拘束力はなく、従うかどうかは指導を受けた国民にゆだねられるものです。
そのため規制と比べると緩い手段となります。
国民の権利を侵害するものではないため、憲法に抵触する可能性も低いです。
その反面強制力が低いので、必ずしも目的の達成できるとは限りません。
つまり行政指導は国民に理解を求め、粘り強く説得にあたることが重要になります。
例としては、「自粛要請を出しているのに営業しているパチンコ店に自粛をお願いする」です。
あくまでお願いですので強制することはできないことを覚えておいてください。
このほかにもいろいろありますが、使いやすいのはこの3つです。
実際に私はこれらの行政行為の手段・目的・対象を盛り込んだ解答にしたらいい評価がもらえました。
みなさんもうまく活用して、高い評価をゲットしてください。
国家総合職論文試験のまとめ
- 総合職の論文は「専門記述」と「政策論文」がある
- 事前準備は一次試験の勉強をしっかりとする
- 教科は民法・行政法・憲法・国際法・公共政策の5つがある
- 選択するなら憲法・行政法・公共政策
専門記述試験はしっかりと一次試験の勉強ができていないと、覚えることが多くて時間がかかってしまいます。
ですがきちんと勉強して、要点を抑えてしまえば簡単に高得点がとれるものです。
みなさんも高得点目指して頑張りましょう!!
人気記事 【公務員試験を受ける人必見】公務員試験の勉強前にすべき4つのこと