- 簿記2級の難易度ってどれぐらい?
- 筆記試験とネット試験は比較するとどっちがいいの?
「難易度上がっているって聞いたことあるけど…」「簿記2級の難易度って他の資格とどっちが上なの?」など本当の簿記2級の難易度を知りたいと思う人は多いと思います。
簿記2級の難易度については、意見が分かれており情報が多すぎることも事実です。
実際ネット上の多くのサイトが簿記2級に難易度を説明しており、私も受験前はイメージを掴めず悩んでいました。
そこで本記事は、簿記2級を受けた筆者が様々な角度から簿記2級の難易度について紹介しています。
こんな人にオススメ!
- 簿記2級の難易度について知りたい人
- 筆記かネットか悩んでいる人
記事を読めば、簿記2級の難易度について色々な視点からわかるため、自分が何をすれば受かりやすくなるかわかります。
簿記2級の難易度は高いと言われている
簿記2級の難易度は一般的には高いと言われています。
なぜなら、簿記2級は初級である簿記3級の発展的な内容であるとともに、公的資格であるからです。
簿記2級は簿記初心者が受けるものではなく、その上の中級者や上級者が受ける試験になります。
初心者が受ける試験ではないため、試験の中身はより発展的な内容になり、用語や計算問題がかなり難しくなります。
加えて、簿記自体が各省庁が認定した特別な資格であるため、信用力を持たせる必要があり難易度は高めに設定されているんです。
なので、簿記2級は資格試験の中でも難易度の高い部類の試験になります。
行政書士・宅建との比較
よく簿記2級と比較される行政書士試験と宅地建物取引士試験(以下、宅建)との難易度を比較してみます。
行政書士は法律3種+α、宅建は宅地関係法律の試験であり内容が違うため、単純な比較はできません。
各試験の内容が同じと考えて、難易度を視覚化してみるとこのような感じになります。
- 簿記2級:★★~★★★★
- 行政書士:★★★★
- 宅建:★★★
簿記2級に関しては、試験回ごとに難易度が変化するため幅がありますが、このような感じです。
難易度を順番にまとめてみると、「簿記2級≦宅建<行政書士」という順番になります。
簿記2級のネット試験の難易度はどうか
ネット試験の難易度は、筆記試験と比べると簡単になったと言われています。
その簡単になった理由として、様々なものがあります。中でも大きなものは以下の3つです。
- 基礎的な問題が多い
- 数値が簡単
- 不合格でもすぐに再試験ができる
難易度が下がっている要因を軽く説明します。
基礎的な問題が多い
ネット試験が簡単と言われる理由一つ目は、基礎的な問題が多いことです。
簿記2級のネット試験では、「筆記試験に比べて」基礎的な問題が多いと言われています。
ネット試験は問題用紙を貰ってそれを元に解くという試験ではなく、パソコンに映った問題文を見て解く方式になります。
このパソコンを用いた試験になると、文字を紙に書いて記録しておくことができません。
一応、試験時には白紙が一枚支給されますが、高度な問題ばかり出題されたらすぐに使い切ってしまいます。
紙を切らしたら記録しておくことができないので、自分の頭で数値を記録しておく必要が出てきます。
簿記2級でそんな余裕があるわけありません。
受験者からブーイングが出ることでしょう。また試験自体がはじまったばかりということもあります。
ネット試験は2020年度末の試験で、導入されたばかりの新形式です。
従来の筆記試験と比べ勝手が大きく違うので、難易度の調整の意味もあるんですね。
以上のことより、できるだけ簡単である基礎的な問題が多くなっていると思われます。
数値が簡単
ネット試験が簡単と言われる理由二つ目は、数値が簡単であることです。
ここでいう数値が簡単になるというのは、数字の整理がされているということになります。
例えば「423,985」が「423,900」のように一や十の位が0で統一されているということです。
数値が整理されるため電卓を使った計算が楽になって、ミスもかなり減っているみたいです。
見直しの時も比較的簡単に見直しできるようになり、筆記試験より時間を短縮して終えれる人も多くなっています。
なるべく記録する手間が省けるように、数値が簡略化されているわけです。
不合格でもすぐに再試験ができる
ネット試験が簡単と言われる理由三つ目は、不合格でもすぐに再試験ができるところです。
ネット試験は全国のテストセンターなどで、ほぼ毎日開催されています。筆記試験のように4ヶ月後など待つ必要はありません。
でも、合否がわかるまでは受けたくない…。
それも安心してください。
筆記試験と違い、ネット試験は試験終了と同時に合否が発表されます。
すぐに結果がわかるため、もし落ちていたとしても同じ週に空きがあれば、試験をもう一度受けることもできます。
ですが試験料に関しては、減額されず試験の都度支払わなければならないので注意しましょう。
合格率から難易度が上がったか確認してみる
今度は合格率の側面から、簿記2級の難易度を測定してみましょう。
過去10回の筆記試験の合格率から平均を確認していきます。
回数 | 受験者総数 | 合格者 | 合格率 |
158回 | 22,711人 | 5,440人 | 24.0% |
157回 | 35,898人 | 3,091人 | 8.6% |
156回 | 39,830人 | 7,255人 | 18.2% |
154回 | 46,939人 | 13,409人 | 28.6% |
153回 | 48,744人 | 13,195人 | 27.1% |
152回 | 41,995人 | 10,666人 | 25.4% |
151回 | 49,766人 | 6,297人 | 12.7% |
150回 | 49,516人 | 7,276人 | 14.7% |
149回 | 38,352人 | 5,964人 | 15.6% |
148回 | 48,533人 | 14,384人 | 29.6% |
このような感じになっています。
過去10回の平均は20.5%です。およそ2割の人が受かっており、8割の人が落ちていますね。
回によっては異様に低い時がありますが、これも時の運です。
そのため、難易度が上がっているわけでも下がっているわけでもありません。
センター試験と一緒で高い年が続くと、めちゃくちゃ難しい問題が来ます。油断せずに知識は蓄えておきましょう。
ネット試験との比較
ネット試験との比較をしてみましょう。これにより受けるための指針が一つできます。
ネット試験は最近はじまった試験であり、あまり統計が取れていないのと、回数でなく期間での集計になっているので、ご注意ください。
以下ネット試験の合格率です。
試験実施期間 | 受験者総数 | 合格者 | 合格率 |
2020/12~2021/3 | 29,043人 | 13,525人 | 46.6% |
2021/4~2021/6 | 20,368人 | 9,132人 | 44.8% |
2つの期間を平均すると、45%になります。
筆記試験と平均の合格率を比べて見ると、その差は約2倍です。
試験の内容は特に変わっていないですが、ネット試験の方が合格率が高くなっています。
結論としてネット試験の方がいい
個人的な話になりますが、私はネット試験の方を受けた方が良いと思います。
合格率から確認してみても、受かっている人のパーセンテージはネット試験の方が圧倒的に上。
また数字も揃っているため、計算ミスが少なくなる。これらのことより、ネット試験の方がいいと思います。
ですが、油断をしてはいけません。
今までの筆記試験の傾向として、簡単な年が続くと急に難しい年が来ています。
この法則で見ると、いつネット試験が難関試験になってもおかしくはありません。
ある時からグッと難しくなる可能性が高いため、受けるのであれば早めに受けるようにしましょう。
+αとしてネット試験では、周りのタイピングの音が結構うるさく、集中できない人が中にはいるそうです。
試験会場では耳当てや耳栓など、防音グッズを貸してくれるので必要であれば借りておきましょう。
どんな種類の防音グッズがあるかは、事前に試験会場へ問い合わせてご確認ください。
合格への難易度を下げるために必要なこと
難易度を下げて簡単に受かる方法に、近道は一つもありません。
自分が今まで積み上げてきたものが、自身が感じる本試験の難易度に直結するでしょう。
つまり学習をする段階で、効率の良い方法やしっかりとした対策をとることで、相対的に難易度が下がっていきます。
ここでは出来るだけ楽に学習できて、難易度が低いと感じる方法を3つ厳選して紹介します。
- 講座を使った試験対策
- 参考書選びに時間をかけて合ったものを探す
- 毎日、学習する習慣をつける
なんとなくはわかると思いますが、どのようなことをするのか、どんな効果があるのか簡単に説明していきます。
講座を使った試験対策
まずは講座を使った試験対策です。
講座では専門の講師による専門の教材を使った講義が行われます。
講師の講義では問題の解き方はもちろん、早く解くコツや試験の傾向まで様々なことを教えてくれるんです。
この講義を聞いているのと聞いていないなどでは、問題の正答率や合格率に大きな差が生まれます。
実際に講義を聞いている人の方が勉強時間は短く、試験でも好成績を叩き出しているんです。
また講座を使うと講師による本試験出題予想がされることがあります。
この予想がどこの講座でも結構的中するため、単純に試験の難易度がグッと下がります。
これらが講座を使うことで難易度が下がる理由です。
受けたいけど値段が高い!この考えは古く、近年は講座自体は高くありません。
中でも通信講座であれば、昔は5万程度した講座代金が、1万5千円ほどで受けることができるんです。
独学でかかる費用にほんの少しお金をプラスするだけで、勉強時間を短縮し試験を楽に突破できるようになります。
詳しい通信講座の内容について、≪2022年受験者必見!簿記2級おすすめ通信講座7つをランキングで紹介≫で紹介させてもらっています。
値段やサービスからランキング付けして、口コミも乗っけているので気になる人は見てください。
参考書選びに時間をかける
参考書選びに時間をかけましょう。そうすることで独学で学習進める場合は知識の源になり、講座を使う人でも実践練習の質が広がります。
まず独学の人についてです。
独学で学習を進める人は自ら知識を吸収して、効率的な解き方を見つける必要があります。
その方法をいかに早く見つけ、どれだけ演習を重ねるかそれが独学で受かるためにやるべきことなんです。
ここで良いテキスト・問題集を見つければ、短い時間で楽に受かるための知識をつけることができます。
次は講座を使っている人です。
講座を使うと短い時間で効率的に覚えることができますが、アウトプットの作業は自分で行わなければいけません。
もちろん講座で支給される教材も良いですが、意外と問題が偏っている場合も少なくないんですね。
そこで市販の問題集を使うんです。
市販の問題集であれば、講座の教材で使われていない各試験で使われた問題を出題していることがほとんど。
また模試形式の問題集もあるため、筆記試験・ネット試験どちらもの本試験対策ができてしいます。
だからこそ、独学の人も講座を使う人も参考書選びは行ってほしいんです。
多くの合格者が使った参考書について、≪初心者にもおすすめ!2021年度で使える簿記2級テキストTop5≫ではテキストを。
≪受かる人は100%使う‼簿記2級問題集おすすめランキング2021≫では問題集を紹介しています。
メリット・デメリットや使用者の評価などを参考に自身が使うものを選びましょう。
毎日、学習する習慣をつける
毎日、学習する習慣をつけるように心がけるようにしましょう。
その理由として、継続的な学習が最も効率の良い方法だからです。
継続的に学習を重ねていれば、日々やることは少しの復讐と新しいことを覚えるだけで済みます。
前の学習から時間も経っていないため、記憶も薄れることはほぼありません。
逆に時間を空けながら学習していると、まず復習に時間がかかります。
新しいことを覚えるにしても前の章と連続しているため、前の記憶の思い出し作業で時間を取られてしまうんです。
これだと新しい知識を入れにくいですし、無駄な時間ばかり取られてしまいます。
勿体ないです。
また一度、計画を外れて休んでしまうと、その後ダラけて学習しなくなる可能性もあります。
よくあるのが、「今日は疲れたから明日やろう」です。これでサボってしまうと、翌日もほぼ絶対にサボります。
翌日サボらなくてもどこかでまた休み、その後学習を辞めてしまう人がほとんどなんですね。
皆さんも運動や料理などで経験があるんじゃないでしょうか。
学習時間を短くしてダラけを防ぐためにも、毎日の継続した勉強は大切になります。
学習してきた努力を無駄にしないたように頑張りましょう。
簿記2級難易度まとめ
- 難易度は高め
- ネット試験が簡単な理由は大きく3つ
- 合格率からみるとネット試験の方が難易度は低い
- 難易度を下げる3つの行動
簿記2級の難易度は低くなく、決して簡単な試験ではありません。
ですが自分の努力次第で、それも変わります。
難易度が高いとあきらめるのはもったいないです。
まずは一度学習してみましょう。
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