- 簿記2級のネット試験ってどんなのって?
- 筆記試験と比べて簡単?難しい?
「簿記2級を受ける場合、ネット試験と筆記試験とどっちがいいの?」「試験をより簡単にする方法はある?」など簿記2級のネット試験は簡単なのか、難しいのか分からずどちらを受けようが悩んでいる人も多いと思います。
簿記2級のネット試験は比較的最近できた形式であり、あまり情報が出回っていないのか事実です。
実際に私の元同僚もネット試験を受ける時に、情報収集に奔走したと言っていました。
そこで本記事は、簿記2級がネット試験でどのように難易度が変化したのか、試験を簡単にする方法などを重点的に説明しています。
こんな人にオススメ!
- 筆記試験かネット試験が迷っている人
- より楽に受かりたい人
この記事を読めば、簿記2級を筆記かネットで受けるかを決めることができ、より簡単に受かる方法も知ることができます。
ネット試験について
ネット試験は別名CBT試験と呼ばれるものであり、2020年12月からはじまった比較的新しい形式の試験になります。
この試験の特徴は、解答用紙を使わずにパソコンを使って行うことです。指定された会場に向かい、そこでパソコンを使い解答を打ち込んでいきます。
試験結果も試験終了後、すぐに結果が分かり不合格であっても長い時間待たず、再試験することも可能です。
やる気があれば1週間のうちに数回受けることもできてしまいます。
簿記2級ネット試験の難易度はどうなのか
簿記2級の試験は一般的には難しい試験と言われています。
それは合格率からもわかります。
簿記2級直近3回の試験の合格率の平均は、16.8%とかなり低い数字です。
でもこれは筆記試験の合格率であり、ネット試験の合格率ではありません。
ネット試験の合格率は発表されていないため、真相はわかりませんが、受検者に話を聞くとみんなこう言います。
「筆記試験よりも簡単だった」と。
私はホントかと思い、Twitterや友人、何人かに聞いてみてところ「実際簡単だった」という回答が多く見受けられました。
ではなぜみんな口々に簡単だったというのでしょうか。
それには以下の3つの理由があります。
- 基礎的な問題が多い
- 数値が簡単
- 不合格でもすぐに再試験ができる
それでは説明していきます。
基礎的な問題が多い
ネット試験の方が筆記試験よりも簡単な理由その1は、基礎的な問題が多いことになります。
なぜ基礎的な問題が多いかというと、ネット試験が始まったばかりの試験だからです。
始まったばかりの試験というのは、まずは難易度の調整をしなければいけません。
極端に難しくしても簡単にしても不平不満が出てきてしまい、筆記試験かネット試験の片一方を誰も受けなくなってしまいます。
それを防ぐために難易度調整が必要になるんです。
簿記2級のネット試験は、始まったばかりなので、その難易度調整のために基礎的な問題が多く出題される傾向にあります。
ネット試験にも多くの出題パターンがあるため、すべてが簡単であるとは言いませんが基礎的で簡単な問題が多いことは事実です。
数値が簡単
ネット試験の方が筆記試験よりも簡単な理由その2は、問題の数値が簡単であることになります。
問題の数値が簡単な理由としては、ネット試験の形式が複雑な計算に向かないからです。
ネット試験は、紙を使わずにパソコンで行う試験になります。
一応、計算用紙が配布されますが、それでも紙ベースの試験と比べて用紙のスペースが足りません。
なのに、筆記試験と同様の数値での問題が出題されると、合格者は一気にいなくなることでしょう。
合格者を減らさず、新形式のネット試験に対応できるような形にするには、数値を簡単にするしかなかったんですね。
ちなみにここでいう数値が簡単は、桁の最後の方が0で揃っているということになります。
決して問題自体が簡単になっているということではないので、注意してください。
不合格でもすぐに再試験ができる
ネット試験の方が筆記試験よりも簡単な理由その3は、不合格でもすぐに再試験ができることになります。
上の2つは直接的な要因でしたが、最後は間接的な要因です。
簿記の筆記試験は大抵6月、11月、2月に開かれることになります。
この筆記試験に落ちてしまうと、再度試験を受けるためには、最低でも3ヶ月は待つ必要があります。
それだけ再試験までのスパンが長いと、試験の時にはかなり緊張したり焦りを感じたりして難易度が爆上がりです。
しかしネット試験であるならば、そのようなことはありません。
ネット試験は、ほぼ毎日行われており、自分の好きなタイミングで受けることができます。
その都度お金はかかりますが、再試験で3ヶ月も待つ必要がなくかなり気持ちに余裕ができます。
「気持ちに余裕ができる=最高のパフォーマンスができる」となるので、必然的に試験自体の難易度は下がるというわけです。
問題自体の難易度が下がったというわけではありませんが、気持ちの面から考えると確実に楽にはなっています。
簿記2級ネット試験の各問の難易度の変化について
上で難易度が低下したと思われる理由はわかったと思いますが、第何問がどれぐらい易化したかは分からないと思います。
そこで簿記2級の出題範囲である第一問〜第五問までの難易度の変化について説明します。
ちなみに簿記2級の出題範囲は以下のようになっています。
第問 | 項目 | 配点 |
第1問 | 仕訳 | 20点 |
第2問 | 補助簿の選択・記入問題 勘定記入問題 理論問題 伝票会計問題 | 20点 |
第3問 | 精算表 財務諸表 本支店会計 | 20点
|
第4問 | 工業簿記仕 個別原価計算 総合原価計算 部門別計算 | 28点 |
第5問 | 原価差異分析 直接原価計算 | 12点 |
では、第一問目からどのように変化したか説明していきますね。
第一問
第一問目は商業簿記からの出題で仕訳の問題です。
仕訳の問題では、問題に沿った正しい勘定科目を選択するものになります。
この仕訳の問題は、難易度が明らかに簡単になっています。
その理由は選択肢が少なくなっているからです。
通常の筆記試験では、25個の勘定科目が与えられており、その中から正解の選択肢を選ぶというような形になります。
なので選ぶという感覚よりは、覚えていなければ絶対に解けないものでした。
違う勘定科目を消して行っても、いつかは自分で考えなければいけなかったんです。
しかし、ネット試験になってそれは変わりました。
仕訳の選択肢の個数が少なくなったんです。
ネット試験では6つ勘定科目から、1つ選択すればいいことになっています。
25個から6個に減っただけでも、かなり難易度が変わりますよね。どれだけわからない問題であっても1/6の確率で正解です。
選択肢の幅が狭まったことにより、第一問目の仕分けは簡単になりました。
第二問
第二問も商業簿記の範囲であり、補助簿の選択・記入問題、勘定記入問題、理論問題、伝票会計問題が出題されます。
ここでは、計算問題が中心となって出題されることになります。何を求めるか確認して、与えられた数字を使って計算していくものです。
この第二問に関しても、簡単になったといっても良いと思います。
理由としては、従来の筆記試験と比べて、複雑な計算が減少しているからです。
これは先ほど説明した数値の簡略化と基礎的な問題が多いことと同じです。
ネット試験であるため、なるべく紙での計算を押さえた結果、簡略化されて相対的に楽になりました。
なお注意として、問題の難易度自体は決して変わっていません。
なめているとしっかり落ちるので、注意しましょう。
第三問
第三問も商業簿記の範囲であり出題されるのは、精算表、財務諸表、本支店会計の問題になります。
貸借対照表や損益計算書などの空欄を計算して埋めていく問題です。
第三問も第一問、第二問と同様に簡単になったと言っていいでしょう。
理由も同じであり、複雑な計算の減少と基礎的な問題の増加になります。
ここも問題の難易度自体は、筆記試験と変わらないので注意してください。
第四問
第四問は商業簿記から工業簿記に切り替わります。
出題されるのは、工業簿記仕訳、個別原価計算、総合原価計算、部門別計算です。
仕訳も入っていますが、基本的には計算問題が主となります。
ここもほとんど計算問題なので、簡単になったと言えます。
理由も同じく、複雑な計算の減少と基礎的な問題の増加です。
問題のレベルは変わっておらず、工業簿記ということもあり点数が低くなるところなので力を入れて学習を重ねましょう。
第五問
第五問は工業簿記であり、原価差異分析、直接原価計算が出題されます。
上の第二、第三、第四問目と比べて第五問はより簡単になったと言えます。
筆記試験の第五問は複雑な計算が多いため、多くの人が電卓の打ちミスや数字の読み間違いにより点数を落とす箇所です。
複雑な計算の減少と基礎的な問題の増加によって、難易度は筆記試験と比べて大きく低下しています。
しかし、ここもケアレスミスの心配がなくなっただけであり、問題の難しさに関しては変わっていないので気をつける必要があります。
簿記2級ネット試験をより簡単にするために
ネット試験ともいえども、簿記2級であるため難易度はそれなりに高くなっています。
皆さんもできれば、楽をして試験を突破したいですよね。
実はやるだけで難易度を簡単に下げられる方法があるんです。
試験時間の短縮や集中力の持続にも、大きく影響するので以下の2つは絶対に行っておきましょう。
- CBT模試などを活用しネット試験に慣れる
- 会場次第により防音用具を貸してくれるので事前確認
やるべきことはシンプルですが、何を行うべきか具体的に説明していきますね。
CBT模試などを活用しネット試験に慣れる
試験に慣れることが何よりも難易度を下げることになるので、模試を活用してください。
ネット試験用の模試を活用することで、本試験を事前に体験できます。
ネット試験は通常の筆記試験とは違い、マークではなくCBT試験と言われるパソコンに直接入力する形式で行われます。
この時、はじめてのネット試験を受ける人の多くは、やり方に戸惑う人が多いです。
例えば入力方法が分からなかったり、そもそも試験に入れなかったりする人ですね。
仮に操作方法が分からないと、必ず時間をロスすることになりますし、入力ミスも発生します。
これらのミスを重ねると、最悪の場合は受かりません。
そこで最悪の結果を防ぐために模試を活用するんです。
みなさんご存知のとおり、模試というのは本試験と同様の問題・試験時間・試験形式で行うものになります。
ネット試験であれば、入力の方法も模試で練習することができます。
模試でしっかり対策をしておけば、本試験で焦ることは絶対にありません。
不合格を避けるためにも、実力を伸ばすためにも模試の活用をしましょう。
模試は資格学校以外にもネット試験対応の問題集でも練習できます。
その対応の問題集を知りたい人は≪受かる人は100%使う‼簿記2級問題集おすすめランキング2021≫の記事を見てください。
オススメの模試本が見つかるはずです。
会場次第により防音用具を貸してくれるか事前確認
試験会場によっては、防音用具を貸してくれるので確認しておきましょう。
ネット試験の会場は、時間と時期にもよりますがタイピング音とクリック音が結構響いています。
普通に気が散るレベルの音がずっと鳴っています。
その中で集中できる人なら問題ありませんが、集中できない人もいることでしょう。
しかし、自分で用意した防音グッズも使えない。
だから会場で貸し出している防音用具を借りるんです。
この防音用具は耳栓やヘッドホンなど会場によって種類も違うので、何を使うかもチェックしておきましょう。
感染症の心配や潔癖症の人でも大丈夫なように、消毒もしっかりされているので安心です。
簿記2級ネット試験の難易度まとめ
- ネット試験はパソコン用いた試験
- 難易度は易しくなった
- 全問とおして易化
- 2つのことをしてさらに試験を楽にできる
ネット試験は新形式であり、手探りではじまったものです。
今のところは比較的簡単ですが、これから先難化することもあるかもしれません。
楽に受かりたい人は早めに受けておいた方がいいと思います。
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