- 簿記3級のネット試験の難易度って?
- まずネット試験ってどんな試験なの?
簿記3級は簡単と難しいという意見が多く、ネット試験を受けようと思っても不安に思うことも多いです。
実際にネット試験で受けようとする人の実に8割以上はこのような疑問を抱えていると言われています。事実、私の後輩もネット試験で受験する前に、疑問が尽きず最後までいろいろ調べていました。
そこで本記事は、簿記3級のネット試験の難しいのかどうか、受けるメリット・デメリットなどを紹介しています。
これを知りたい人に書いてます
- 簿記3級ネット試験の難易度
- 簿記3級ネット試験を受けるメリットとデメリット
- 簿記3級の筆記試験とネット試験はどちらがいいか
- 簿記3級ネット試験の合格体験談
読み終えると、簿記3級におけるネット試験の難易度がわかり、自身がネット試験で受けようかどうか決めることができます。
簿記3級ネット試験の難易度
簿記3級のネット試験の難易度は、筆記試験と比べて低いと言われています。
それが本当であるか合格率から見てみましょう。
簿記3級筆記試験
実施回数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
163回 | 37,493人 | 11,516人 | 36.4% |
162回 | 39,055人 | 9,786人 | 30.1% |
161回 | 43,723人 | 16,770人 | 45.8% |
160回 | 52,649人 | 22,512人 | 50.9% |
159回 | 58,025人 | 13,296人 | 27.1% |
平均合格率 | 38.1% |
簿記3級ネット試験
実施期間 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
2022/4~2022/9 | 95,651人 | 39,118人 | 40.9% |
2021/4~2022/3 | 206,149人 | 84,504人 | 41.0% |
2020/12~2021/3 | 58,700人 | 24,043人 | 41.0% |
平均合格率 | 41.0% |
となっています。
簿記3級ではネット試験の方が筆記試験と比べて、2%だけですが合格率が高いことがわかります。
それには4つの理由が存在しています。
基礎的な問題が多い
簿記3級のネット試験では基礎的な問題の出題が多くなっています。ネット試験は最近はじまった試験であり、製作者側が難易度調整を行っているという段階です。
難しすぎると、受験する人がいなくなってしまうため、あえて応用よりも基礎問題を多くして、難易度が低めで作成されています。
また、出題される問題については、あらかじめ作成されており、筆記試験のように毎回制作者が変わるわけではありません。
その分、ニッチな問題が削られ、問題のレベルが平均化。必然的に基礎的な問題が多くなっていきます。
数値が簡単
上の理由と少し被ってしまいますが、出題される数値は筆記試験と比べて簡単になっています。
簿記3級のネット試験ではパソコンを使用した解答形式であり、問題用紙がなければ、マークシートもありません。つまり解答を書いて解くスペースがあまりないということです。
一応、A4の白紙が1枚渡されますが、簿記3級の問題をすべて解くためには足りません。そのような紙が足りなくなる複雑な計算を避けるために数値が簡単になっています。
具体的な数値の簡略化がどのようなものかといえば、
- 筆記試験:28,638,263円
- ネット試験: 28,638,000円
といった感じで簡略化されています。
見直しの際も数値が揃っているので、見やすくケアレスミスも防ぐことができます。試験の特性上、やむを得ず簡略化されていますが、その分簡単になっています。
自分のタイミングで試験を受けられる
簿記3級の試験日は、筆記試験の場合、「6月、11月、翌2月」と決まっています。一方のネット試験では決まった日にちはなく、自由に受験する事ができます。
自分の準備が揃う日にちで受けられるので、
といったことはまずありません。万全の準備を整えて本試験に臨むことができます。
また、仮に試験に落ちてしまっても、年に3回しかない筆記試験と違い、すぐに再試験を行うことができます。
いくらでも挑戦できるので、本番で緊張することも無く、リラックスした状態で試験に挑める。自分の実力を100%発揮することができるでしょう。
予約できれば次週でも受験することが可能です。
プルダウン方式
簿記3級ネット試験ではプルダウン方式の問題が採用されています。
プルダウン方式とは
- 一定の選択肢の中から該当するものを選ぶ方式
プルダウン形式は選択肢が多くなく、5つほどの中から選ぶものもあるので、迷うことなく正解を選ぶことができます。
ネット試験だとこのプルダウン形式の問題が多くなっています。筆記試験だとかなり多い選択肢の中から選ぶ問題も出題されるので、これだけでもかなり簡単になります。
簿記3級ネット試験を受けるメリットとデメリット
簿記3級を受けるメリット・デメリットを確認して、自分が受験すべき試験かどうか考えてみましょう。
メリット
- 受かりやすい
デメリット
- やる気が入りにくい
簿記3級ネット試験のメリットは何といっても、受かりやすいということです。
先ほども紹介したように
- 基礎的な問題が多い
- 数値が簡単
- 自分のタイミングで試験を受けられる
- プルダウン方式
ということがあり、試験自体の難易度はあまり高くなく、受かりやすくなっています。
そのため、
という人にはかなりのメリットになります。
一方、デメリットはやる気の継続です。簿記3級ネット試験ではすべて自分で管理しなければなりません。根性がない人では、途中で投げ出してしまうことでしょう。
継続的に学習できる人でなければ、続けることのできないことが、デメリットになります。
デメリット対策
勉強を途中放棄してしまうデメリットを無くすためには、以下の2つのことを意識すればデメリットの対策ができます。
デメリット対策
- スケジュール作成
- 学習日に間を作らない
どちらも学習の習慣付けということでデメリット対策が可能です。
スケジュールを決めておけば、日々やるべきことがはっきりと決まっており、学習の終わりも見えているので、途中でサボったり投げ出すことが少ないです。
そして日々の学習に間を空けなければ、覚えた知識を忘れることもなく、効率的な学習が可能になります。
簡単なことでデメリット対策ができるため、簿記3級試験本番まで続ける自信のない人は必ず上の2点を意識しましょう。
簿記3級ネット試験の成功体験談
簿記3級のネット試験を受けた私の後輩の話を紹介したいと思います。
後輩は1度、筆記試験に落ちており、そこから再学習して試験に挑戦しています。
体験談
簿記3級の筆記試験で1度落ちて、「難しいから辞めようかな…。」と思っていた時にネット試験がはじまり、最後の挑戦で受けようと思い、受験しました。
次の試験までの3ヶ月の間を置かなくてよかったので、勉強方面については苦手な問題を復習。それに加えて、ネット試験の解答方法だけ確認して、本番のネット試験に挑戦しました。
当日は受付をして、試験会場に入りました。その際、電卓は忘れずに持ち込みます。ペンや紙は向こうから支給されるので、持ち込む必要はありません。
そして、パソコンの電源を入れて、問題を解き始めました。
まず第1問目の仕訳問題です。
元から仕訳は苦手ではなかったですが、筆記試験と比べて格段に簡単になっていました。それは、特定の選択肢の中から選べばいいためであり、選択肢もめちゃくちゃ簡単。ほとんど時間をかけることなく、第2問目へ進みます。
第2問目は文章の穴埋めと勘定簿作成に記載する問題です。
前回の筆記試験の時は、ココで躓いて点数が取れませんでした。しかし、これも選択肢の中から選べば良かったので、楽に突破。今までの苦労はなんだったのかと思いました。
第3問目は財務諸表の作成です。
貸借対照表と損益計算書の作成であり、内容もそこまで難しいものはありませんでした。画面に財務諸表が収まって、スクロールの必要もなかったので、記入もしやすかったです。
そして、見直しをして5分残して、試験終了。すぐに結果発表され、点数は86点で受かることができました。
感想とやっておくべきこと
感想としては、試験回による難易度のばらつきがなくすためか、問題自体は難しくありませんでした。合格率が20%台の試験でしたが、筆記試験の方がかなり難しいという印象です。
問題の難易度はネット試験の方が簡単ですが、質については筆記試験と変わらないので、しっかりと準備をしておかなければ、不合格になります。勉強は欠かさないようにしてください。
そしてやっておくべきことは、回答方法の確認になります。
他のネット試験を受けていなければ、経験したことのない試験です。事前に確認しておかないと、入力方法がわからず、本番で焦ってケアレスミスをしてしまうこともあります。
正確なやり方を覚えておき、対応できるようにしておきましょう。
簿記3級ネット試験を受けるべきか否か
上記では簿記3級のネット試験の概要について話してきましたが、どちらが良いのでしょうか。
筆者としては
- ネット試験の方がオススメ
になります。合格率が筆記試験よりも高いことも理由の一つではありますが、何よりデメリットの少なさが目を惹きます。
しかも比較的簡単な方法でそのデメリットを打ち消すことができ、残るのはメリットだけ。難易度もどちらかといえば、ネット試験の方が低いです。
筆記試験とネット試験で資格に優劣が付くわけでもないので、受かりやすい方を受けた方が良いと思います。
簿記3級ネット試験の難易度まとめ
- ネット試験はどちらかといえば簡単
- メリットは多くデメリットは少ない
- 合格者体験談について
- 筆者としてはネット試験がオススメ
簿記3級のネット試験は新形式であるため、従来とは違うやり方で対策を重ねていかなければなりません。
気にしなければいけないことも多数あり、人によっては向かないこともあります。
しかし、多くの人はネットでの受験で受かっているので、しっかり対策をすればあなたも資格を取得することができるはずです。
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