- FP2級と3級は何が違うの?
- FP3級なしでFP2級は受験できるの?
「FP3級とFP2級の試験範囲の違いは?」「同日受験はできるの?」など、FP2級とFP3級の違いはなんなのか疑問に思っている人も多いと思います。
FP3級とFP2級の違いを知ることで、合格へ繋がる近道が見つかることも少なくありません。
そこでFP3級とFP2級の違いを中心に以下の順で紹介していきます。
このページを読むことで、FP3級とFP2級の違いを多角的な視点でわかります。
ファイナンシャルプランナー試験について
ファイナンシャルプランナー試験(FP試験)は、正式名称を「ファイナンシャル・プランニング技能検定」という試験です。
試験内容は学科試験と実技試験の2種類課せられ、FP協会・きんざいの2機関で実施されます。
この試験に合格できれば、顧客の貯蓄・投資等の相談を保有資産を基に立案する技能があると認められます。
取得したFPの資格を使い、仕事に生かし活躍している人も多いです。
数字に強い人しか受かることが出来ないと思われる資格ですが、文系の人もかなり合格しています。
取得しやすく仕事でも使える資格なので、持っていない人は試験を受けてみましょう。
ファイナンシャルプランナー2級と3級の違い
FP3級とFP2級は似ているようで、想像より違いが大きいと言われている試験になります。
その違いを知ってから学習しないと、思わぬところで躓く可能性もあるので、チェックしておきましょう。
FP3級とFP2級の違いの中でも、その差が大きいと言われる4項目について比較します。
試験範囲
FP3級とFP2級の試験範囲の違いを見てみましょう。
3級 | 2級 | |
金融資産 |
| FP3級の内容と同じ
|
不動産 |
| FP3級の内容と同じ |
相続・贈与 |
| FP3級の内容+事業承継対策事業と経営 |
ライフプランニング |
| FP3級の内容+中小法人資金計画 |
リスク管理 |
| FP3級の内容と同じ |
税金 |
| FP3級の内容+法人税、法人住民税、法人事業税、消費税、会社と役員の税務法人の決算書と申告、諸外国税制 |
表を見てもらえば分かると思いますが、FP2級はFP3級の範囲にプラスして学ぶことが基本となります。
知識0の新しいことを学ぶわけではありません。
FP2級はFP3級の基礎知識の上に、新たな感覚を積み上げるという方式です。
その知識の量と理解しているかが、問われるものがFP2級の学習範囲となっています。
出題形式
FP2級とFP3級では、出題形式も大きく変化してしまいます。
その違いを知っているかどうかで、試験の有利不利が決まることもあります。
有利に試験を進めるためにも、必ず確認するように違いを見ておきましょう。
表にすると、以下のようになります。
【FP協会】
筆記試験 | 実技試験 | |
FP3級 | 〇×問題 & 三答択一 | 20問のマークシート問題 |
FP2級 | 四答択一 | 40問の記述問題 |
【きんざい】
筆記試験 | 実技試験 | |
FP3級 | 〇×問題 & 三答択一 | 事例問題5題 |
FP2級 | 四答択一 | 事例問題5題 |
2級の筆記試験ではどちらの実施機関も選択肢が増え、実技試験ではFP協会で記述となるので、特に難易度が跳ね上がります。
加えて問題も基礎的な内容から、応用力が求められる問題が多くなります。
一般的な資格試験では、出題形式が変更されることはほとんどありません。
しかしFP試験に限っては、大きく変わってくるので注意してください。
合格率
FP2級とFP3級では合格率も大きく変わってきます。
その違いが以下の表です。
【FP3級】
FP協会 | 学科試験合格率 | 実技試験合格率 |
2022年5月 | 83.37% | 90.33% |
2022年1月 | 87.01% | 90.75% |
2021年9月 | 84.69% | 80.50% |
きんざい | 学科試験合格率 | 実技試験合格率 |
2022年5月 | 49.03% | 52.22% |
2022年1月 | 63.53% | 45.98% |
2021年9月 | 53.31% | 46.29% |
【FP2級】
FP協会 | 学科試験合格率 | 実技試験合格率 |
2022年5月 | 49.20% | 62.11% |
2022年1月 | 41.51% | 56.33% |
2021年9月 | 50.56% | 60.26% |
きんざい | 学科試験合格率 | 実技試験合格率 |
2022年5月 | 22.11% | 31.44% |
2022年1月 | 19.50% | 39.69% |
2021年9月 | 25.46% | 42.48% |
FP協会ときんざいで合格率はかなり変動しますが、総じて下がっていることがわかりますね。
中にはなんと半分以上の差が生まれているところも。
ここだけでもFP2級がFP3級と比べて、いかに難しいか判断できると思います。
学習時間
FP3級からFP2級になり、内容の難易度が上がります。
その結果、必要になる学習時間も延びることになります。
FP3級の平均的な学習時間が30時間~120時間でした。
FP2級になることで学習時間がFP3級の2倍以上の120時間〜300時間となります。
ここまで時間が延びるのには、内容の難易度が上がった他に内容の多さが影響しています。
FP3級ではただ内容を覚えていくだけの作業でした。
それがFP2級になることで、単純に覚える量がかなり多くなります。
加えて、FP2級ではFP3級の知識も内容を理解するために必要とされます。
定期的にFP3級の復習もこなさなければならない。
内容もそうですが、様々な要因により学習時間に大きく差が生まれています。
FP2級は取った方がいい?
FPの資格を仕事や就活等で使いたい人は、必ずFP2級を取得する必要があります。
その理由は、本格的に評価されるのがFP2級からなるからです。
FP3級はFP試験の中でも、最も難易度が低く基礎的な能力の有無を問われます。
その際学ぶことになるのは、FP試験の基本的な事項です。
もちろん「金融資産」「不動産」「相続・贈与」「ライフプランニング」「リスク管理」「税金」は学びます。
しかしあくまで、FP3級は日常生活が豊かになるような知識が大半であり、仕事でバリバリ使える知識はありません。
使えても「こんな考え方もあるな…。」程度です。
新しい考え方や顧客への提案が浮かぶ場面はあまりありません。
ですがFP2級を取得していれば、それらのアイデアがかなり浮かぶようになります。
それはFP2級ではFP3級の知識を基に応用された問題が出題されるから。
複雑な計算や考え方を有していますが、仕事の中で生かせる内容が多いんです。
またFP2級であればファイナンシャルプランナーとして、最低限の知識を有している証明になります。
独立開業しても、顧客から敬遠されることはなくなるでしょう。
今の仕事に生かすためにも、独立開業するためにもFP2級は必須級の知識となります。
FP2級の前にFP3級を取る
ここまでの話を聞いて、「FP3級微妙ならFP2級から取ればいいんじゃない」と考えますよね。
当然のことだと思います。
しかし、FP2級には受験要件が定められており、いきなり試験を受けることは不可能なんです。
その受験要件は以下のものになります。
- 3級技能検定の合格者
- FP業務に関し2年以上の実務経験を有する者
- 日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した者
- 厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
このうちどれか一つの取得であり、その中の1つにFP3級が入っています。
上記で挙げたものの中ではFP3級の取得が最も簡単であるため、FP2級を受ける近道です。
他のものであると、合格難易度が高かったり、資格を得るまでに時間がかかってしまいます。
なのでFP2級の受験資格を満たすために、FP3級の資格を取りましょう。
FP2級とFP3級を受験するときの注意
どちらも大切であれば、「FP3級を取った日にFP2級の試験を受ければいいじゃん」と考えませんか。
私はそのように考えていました。
しかし、FP3級とFP2級を同日に受験することはできません。
これは決まりとかではなく、物理的に不可能なんです。
不可能な理由のとして、両方の試験時間が大きく関わってきています。
実際の受験時間を確認してみましょう。
学科試験 | 実技試験 | |
FP3級 | 10:00~12:00(120分) | 13:30~14:30(60分) |
FP2級 | 10:00~12:00(120分) | 13:30~15:00(90分) |
※FP協会を参照
見てわかるとおり、ほぼほぼ試験時間が被っていることがわかりますね。
この時間は決まっており、同時受験するからと変更してもらうこともできません。
なのでFP2級を受けることはできず、段階を踏んで級を取らなければいけないんです。
毎回、FP試験実施機関で確認の電話を入れる人がいるので、同時受験できないということを頭に入れておきましょう。
FP2級と3級の違いまとめ
- FP試験は金融に関する能力を確認するもの
- 2級と3級で違いはかなりある
- FP2級は取った方が良い
FP2級とFP3級では様々な面で大きな違いが存在しています。
どちらの違いも確かめて上で試験に臨まなければ、良い結果も生まれにくいものです。
皆さんはこの違いを意識しつつ学習して、試験を合格してください。
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