・刑法ってどんなの?
・どんな試験で出題される?
・おすすめの参考書は?
・勉強はどうすればいい?
こうした疑問に答えていきます。
実際に刑法を一から勉強した私と国家総合職や裁判所で働いている友人の話を基に記事を作成しています。
本記事の内容
- 公務員試験の刑法について
- 出題試験・出題範囲について
- おすすめの参考書
- 勉強方法
この記事を読み終えると、自分が刑法を選択するべきか、どんな勉強をすべきかわかり試験が楽になります。
この記事を書いている人
元公務員ターナーの自己紹介
高学歴、法学部出身というわけではありませんが、大学2年の時から資格を取得しつつ、公務員の勉強を開始。
結果=国家公務員総合職に現役で合格。
他にも(一般職・国税専門官・県庁・市役所)などにも内定しているので、公務員志望者の不安や疑問点を解消します。
— 知識図書館(公務員試験・資格ブログ) (@TandH_blog) November 7, 2020
公務員試験における刑法とは
刑法とは、刑罰と、刑罰を科せられる行為である犯罪を規定した法律になります。
簡単に言うと、どの行為が罪に当たるのか、その罪に合う罰はどの程度のものなのかを規定したものです。
公務員試験の刑法では、記述試験ではなくマークシートでの試験が行われます。
なので一言一句覚えるのではなく、重要な単語などを絞って覚えていきましょう。
今回はそんな刑法について説明していきます。
刑法はどんな公務員試験で出題されるのか
どんな試験で出題されるのか、勉強法を見る前に確認しましょう。
なぜなら出題されない試験やほかの出題数と比べて、出題が少ないものに時間をかけてもムダだからです。
公務員試験は問題の出題数が多く、教科もかなり多くなります。
数が多いので効率的な勉強をしていかないと絶対に時間が足りなくなります。
その数ある教科の中で刑法は、限られた試験にしか登場しません。
第一目標の職種では刑法が出題されないのに、刑法を勉強すると時間のムダになります。
だからこそ出題される試験を確認する必要があるんです。
そんな刑法の出題される職種は以下のようになります。
国家総合職 | 労働基準監督官 | 裁判所事務官 | 地方上級 | 市役所 | |
出題数 | 3 | 3 | 10 | 2 | 2 |
回答数 | 40 | 40 | 40 | 40 | 40 |
必須or選択 | 選択 | 選択 | 選択 | 必須 | 必須 |
このようになっています。
必須である地方上級・市役所は、他の教科との兼ね合いも考えて勉強をする必要があります。
裁判所事務官を受ける場合は必須レベルで必要です。
しかし国家総合職や労働基準監督官では、そこまで必要ではないことがわかります。
自分が受ける試験、勉強時間、刑法との相性を考えて選択していきましょう。
刑法の出題範囲【公務員試験出題傾向】
どんな試験で出題されるかわかったら、次は出題範囲を見ていきましょう。
刑法は全ての分野を勉強していけばいいわけではありません。
出題される範囲は限られています。
どの範囲が出題されるか確認しなければ、関係のない範囲を勉強してしまいムダな時間を過ごしてしまうんです。
ムダを防ぐために出題範囲を確認しておく必要があります。
その刑法の出題範囲は大きく分けて、総論と各論に分けられます。
総論では各種犯罪の刑法典の総則規定、各種犯罪の成立要件と刑罰の内容を取り扱っています。
各論では個別の犯罪に関する特定の問題を取り扱っていきます。
このような2つの分類からも分かれていき、細分化すると以下のようにまとめることができました。
総論
刑法理論:刑法の基礎、罪刑法定主義、犯罪成立要件等
構成要件:犯罪の分類、因果関係、錯誤、故意・過失等
違法性・責任:総則、正当事由、責任能力等
未遂犯・不能犯・共犯:未遂・中止・不能・共犯等
罪:本来的一罪、科刑上一罪等
刑罰:種類、適用要件、執行等
各論
生命身体に関する罪:殺人罪、傷害罪等
人格法益に関する罪:監禁、脅迫、性犯罪等
財産罪:窃盗、強盗、詐欺、横領等
社会法益に関する罪:放火、文書偽造等
国際法益に関する罪:証拠隠滅、賄賂、偽証等
このように細分化されていきます。
個別案件を扱う各論のほうは、皆さんもニュースで見ることがありわかりやすいと思います。
逆に総論は、法学部でない限り触れることは少ないのでイメージしにくいですよね。
どこに力を入れて勉強するか、この分類を理解して効率のいい勉強を行いましょう。
刑法を効率よく勉強するためのおすすめ参考書【テキスト・問題集】
刑法を勉強する際におすすめの参考書を紹介していきます。
私が実際に使ってみて良かったものや、本試験の出題傾向にバッチリ当てはまったものを紹介します。
刑法が出題されない試験や問題数が少ない試験に関しては、勉強しなくてもいいので飛ばしても構いません。
そのおすすめの参考書は以下の3つです。
- 面白いほど理解できる刑法
- 公務員試験 法律5科目 まるごとエッセンス
- 公務員試験 新スーパー過去問ゼミ刑法
この三冊がとくにおすすめの参考書になります。
具体的にどの点がおすすめなのか紹介しますね。
面白いほど理解できる刑法
刑法をはじめて習う人にぴったりの超入門書
刑法はテーマの理解がとても重要な教科です。
初心者の人にはなかなか馴染みのない刑法でテーマの理解は難しい。
でもわかりにくいテーマをこの本では、簡単に学ぶことができます。
図や表を用いた解説でテーマや理論を説明していくため、多くの人が躓くポイントも楽々学習できます。
さらにテキストの最後には、一問一答の確認テストが付いており、知識の確認も行うことができるんです。
私の友人でこの本を使っていた人は、このテキストで刑法の輪郭を掴みさまざまな問題に対応できたと言っていました。
Amazonでもレビューは少ないですが、評価は4.5を記録しているので、信用に足る一冊です。
公務員試験 法律5科目 まるごとエッセンス
用語を覚えるのに向いているハンディサイズの本
刑法にはさまざまな馴染みのない単語が多く出てきます。
初学者人はこの用語を覚えるだけでも一苦労。
多くの時間が掛かってしまいます。
実際に私がそうでした。
心理学部だった私は、刑法の用語が何一つ分からずひたすら根性で覚えていました。
なので他の人より多くの時間が掛かってしまいます。
なぜ多くの時間が掛かったか。
それは根性で覚えようとしていたから。
でもこの本があれば、時間を掛けて覚える必要はもうありません。
テーマごとの簡単な解説と用語ごとの丁寧な解説により、重要なテーマ用語を包括的に覚えられてしまいます。
軽いポイントにより、頻出の問題やとくに注意する点などもカバーしてくれます。
さらに刑法だけでなく憲法・民法・行政法・労働法の用語もこの一冊で賄うことができるんです。
私ももっと早く知っていれば、勉強時間を単純だけどできたと後悔しています。
この本は手に入れるのが早ければ早いほど効果を発揮します。
皆さんは勉強と同時に使用して、スタートダッシュを切れるようにしましょう。
公務員試験 新スーパー過去問ゼミ 刑法
シリーズ累計350万部突破した不動の人気を誇る問題集
刑法の問題集はどれがいいのか悩みませんか?
テキストに付いている一問一答の小テストでいいのか、それとも司法試験クラスの分厚い本を使わなければいけないのか。
そのどれもが違いこの公務員試験 新スーパー過去問ゼミ刑法があれば、公務員試験に対応できる力を身につけることができます。
テーマごとの解説と難易度別に分かれた問題があり、自分の実力にあった勉強をすることが可能です。
この一冊で国家総合職レベルの問題も解ける実力が身につきます。
私はこのシリーズを使い、本気で勉強していた人で試験に落ちた人を見たことがありません。
私もその一人です。
反復練習をしっかりすれば、確実に合格できる実力がつく一冊になります。
3つのポイントで公務員試験高得点!刑法の勉強方法
刑法の勉強方法について紹介していきます。
刑法も基本的に暗記教科であるため、テキストを読み込み知識を定着させる必要があります。
しかし、むやみやたらに暗記をしようとしても効率が悪く、すぐに忘れてしまいがち。
そこで刑法の勉強には以下のポイントを意識した勉強をしてください。
- 因果関係を意識
- 犯罪にあたるか当たらないかの線引き
- 判例を徹底的に覚える
以上の三点を意識して勉強するだけで高得点が取れるようになります。
ではその理由と覚え方のことを説明していきます。
因果関係を意識
刑法勉強の意識するポイント一つ目は、因果関係を意識することになります。
なぜなら刑法では、ある行為には特定の罰が科されるからです。
人が罪を犯し刑罰を受ける際には、因果関係が必ず存在します。
因果関係がなく罪に問われるとしたら、普通に生活していたら急につかまって死刑宣告なんてこともありえます。
そんなのはどこかの国だけです。
日本は法治国家であるためそんなことはありえません。
必ず罪には因果関係を伴う行動が存在します。
この因果関係を意識することで、勉強が格段に進むようになるんです。
同じような行動したら、同じ刑罰が科されるわけです。
つまり一つの行動を覚えれば、刑罰も覚えられてしまう。
しかも後は他の派生であるため、他のパターンを覚えるのも容易になります。
なので因果関係を意識して勉強をしましょう。
犯罪に当たるか当たらないかの線引き
刑法勉強の意識するポイント二つ目は、犯罪にあたるか当たらないかの線引きになります。
なぜ犯罪にあたるか当たらないかの線引きかというと、線引きには明確な基準が設けられているからです。
上でも紹介しましたが、刑法には明確な裁く基準が存在しています。
明確な裁く基準がなければ、裁判官の気分次第で犯罪に当たるかどうかが変わるなんてことにもなりかねません。
しかしそんなことをしては、裁判の根底が崩れてしまいます。
裁判の根底を崩さないために明確な基準が設けられているんです。
しかも試験問題には、この犯罪に当たるか当たらないかのラインの問題が多く出題されます。
そのためライン際の問題を制するかどうかで、合格率にかなりの差が生じます。
実際に私の友人で理論ばかり覚えて、ライン際の考え方などを疎かに人がいました。
その友人は本番で出題された犯罪に当たるか当たらないかの、ラインの問題を落としてしまい不合格になってしまいました。
あと数点で合格だったので、確実にこの問題が合格に響いていたんです。
数点で不合格になりたくない人は、犯罪に当たるか当たらないかの線引きを明確に行いましょう。
判例を徹底的に覚える
刑法勉強の意識するポイント三つ目は、判例を徹底的に覚えることになります。
その理由として公務員試験の刑法は、判例からの出題が多い傾向にあるからです。
公務員試験は考えさせて解かせる問題は少なくなっています。
少ない理由は、業務を遂行し経験を積むことでさまざま事案に対応できるからです。
公務員試験で重要なのは知識量。
判例はその必要な知識を測るためにピッタリなものなんです。
ピッタリだからこそ公務員試験では多く出題されます。
国家総合職試験では2/3、地方上級や市役所でも絶対に一問は出題されるんです。
刑法で得点を稼ぎたい人は、判例を完璧に覚えましょう。
公務員試験の刑法まとめ
- おすすめの参考書は「面白いほど理解できる刑法 」「公務員試験 法律5科目 まるごとエッセンス 」「公務員試験 新スーパー過去問ゼミ刑法」
- 勉強方法は「因果関係を意識」「犯罪にあたるか当たらないかの線引き」「判例を徹底的に覚える」
刑法は必ず原因があって結果がある。
そんな法律であり、人々の生き方を決定するものでもあります。
刑法の知識は、公務員になった時はもちろん民間企業に就職しても大きな武器になります。
刑法をマスターして、社会生活を有利に進めていきましょう!
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