・裁判所事務次官の仕事や福利厚生って?
・仕事はブラック?ホワイト?
・裁判所事務次官だけの特別な教科や面接の特徴は?
・向いている人はどんな人?
こうした疑問に答えていきます。
裁判所事務次官の試験の内定を辞退した私が、勉強していたことや後輩の話を参考にしているのでリアルなものです。
本記事の内容
- 裁判所事務次官の仕事
- 給料と福利厚生
- 裁判所事務次官はホワイトな職場
- 面接について
- 裁判所事務次官だけの特別な教科
- 裁判所事務次官に向いている人
この記事を読み終えると、裁判所事務次官に必要な科目・能力がわかり合格しやすくなります。
この記事を書いている人
元公務員ターナーの自己紹介
高学歴、法学部出身というわけではありませんが、大学2年の時から資格を取得しつつ、公務員の勉強を開始。 結果=国家公務員総合職に現役で合格。 他にも(一般職・国税専門官・県庁・市役所)などにも内定しているので、公務員志望者の不安や疑問点を解消します。 — 知識図書館(公務員試験・資格ブログ) (@TandH_blog) November 7, 2020
裁判所事務次官の仕事について
公務員として裁判所で働く人は、実際に裁判をする人ではありません。
それは正式な裁判官としての仕事であるため、公務員で行うことはないんです。
公務員で裁判所に働く場合は、裁判所事務次官といわれ、裁判官を補助する仕事になります。
その具体的な仕事は、二種類の職務に分かれています。
分けられる職務の組織は、『裁判部門』と『司法行政部門』です。
裁判官の補助という仕事は変わりませんが、内容が大きく変わります。
裁判部門
司法行政部門
司法行政部門に配属された場合は、事務局(総務課、人事課、会計課など)で司法行政事務全般を担当し、裁判が円滑に進行するように裁判部門を支援する一般企業でいう事務職のような仕事を行うことになります。
配属される部門によって職務が全然違うので、裁判所事務次官になりたい人は自分がどちらの業務を行いたいか決めておく必要がありますよ。
裁判所事務次官の総合職・一般職
裁判所事務次官にも総合職と一般職があります。
出世や業務内容などでも大きな差が出てくるので、違いを把握しておきましょう。
業務の違いとしては以下の点が挙げられます。
裁判所事務次官総合職
- 政策の企画立案に係る仕事をして、裁判に関わる業務を主に行う
- 出世が早い
- 給料が高い
- 裁判所書記官になる試験の一次試験が全部または一部免除される
- 試験の倍率が100倍を超える
裁判所事務次官一般職
- 一般職は、一般的な事務処理等の典型的な仕事を行う
- 総合職比べると出世が遅い
- 総合職と比べると給料が低い
- 裁判所書記官になる試験の免除はない
- 試験の倍率は高くても10倍程度
業務をはじめ様々な面で違うとわかったと思います。
どちらで受験しようかは考えておきましょう。
裁判所事務次官の給料や福利厚生
働くうえで大切なこと、給料と福利厚生についてです。
最初に給料から説明していきます。
裁判所事務次官の給料は、国家公務員と同じ俸給表を使っているので国家公務員とほぼ一緒です。
そんな裁判所事務次官の給料は以下のようになっています。
【初任給】
総合職試験(院卒者区分) 255,600円
総合職試験(大卒程度区分) 224,040円
一般職試験(裁判所事務官,大卒程度区分) 218,640円
一般職試験(裁判所事務官,高卒者区分) 180,720円
※金額は,東京都特別区内に勤務する場合(2020年4月1日時点)
平均年収
平均給与 約411.000円
年収 約667万円
公務員の給料は民間企業の平均とも大きな乖離はありません。
給料面については申し分ないと言えるでしょう。
福利厚生
裁判所事務次官も公務員であるため、各種手当や休日はかなり高水準となっています。
各種手当は、住居手当が月額最高28,000円、扶養手当が配偶者月額6,500円等様々なものがあるんです。
休暇についても、結婚休暇、産前後休暇、子の看護休暇、ボランティア休暇、病気休暇などが完備されています。
それに加えて、共済組合制度が設けられています。
職員とその家族に医療保険及び年金制度が用意さていることに加え、各種の福祉事業を利用することができるんです。
裁判所事務次官の福利厚生はかなりいいものになります。
裁判所事務次官は超ホワイトな職場⁉
みなさん裁判所事務次官は、公務員1ホワイトな職場だと知っていますか?
なんと、残業時間がどの公務員よりも低くなっているんです。
理由は、法律をとくに適切に運営していかなければならない機関だからです。
裁判所で働いている人がブラックで辞めたいなんてわかったら、裁判しても正しいか信用性に欠けますよね。
信用性の確保のためにホワイトな職場である必要があるんです。
私の後輩で裁判所事務次官になった人の話を聞くと、二年働いて残業は片手で数える程度だそうです。
最近の公務員の残業が多いと注目される中で、珍しい職場になります。
ライフワークバランスを優先したい人には、ピッタリな職場であると思います。
裁判所事務次官と他試験との教科の違い
裁判所事務次官の試験には、他のどの公務員試験にもない教科を解く必要があります。
その教科とは刑法です。
実質的な裁判はやらないとしても、やはり法の番人として知っておくべき必要があるようです。
なので院卒や大卒で受ける人は、憲法などの教科に加えて刑法も勉強しておきましょう。
裁判所事務次官の面接
裁判所事務次官の面接は、国家公務員試験と同じように面接時間が短いことが特徴の一つです。
効率的にアピールできないと不合格になってしまうので、かなり難しい面接試験になります。
面接官の特徴としては、まじめで静かな人が多いです。
そのため、型にはまった質問が多い印象を受けます。
ですが簡単な面接ではありません。
他試験に比べて、論理的な説明ができていないと聞き返される確率が高いからです。
少しでもおかしな部分があれば、かなり深く掘り下げられていきます。
なので論理的な説明と深くまで聞かれても、対処ができるように対策を行ってください。
裁判所事務次官に向いている人
裁判所事務次官として働くうえで、どのような人が向いているのか説明していきます。
あくまで傾向であり、確実に当てはまる人でないと合格できないとか、働き続けることが難しいわけではないので安心してくださいね。
こんな特徴の人は裁判所事務次官に向いています。
- 正確な事務処理能力
- コミュニケーション能力
- 公平性
- いち早く変化に対応できる能力
ではなぜこれらの能力があるほうがいいか説明していきます。
正確な事務処理能力
裁判所事務次官に向いている人の一つ目の能力は、正確で素早い事務処理能力になります。
なぜなら裁判所は、公務員の中でもとくに間違いが許されない仕事だからです。
裁判所は、人の権利や私人間の紛争などを解決するための場所になります。
紛争解決手段である裁判所で、事務処理のミスにより裁判の判決が変わってしまうとどうなるでしょうか。
裁判の信用度に関わり、誰も信用しなくなるでしょう。
裁判所の存続のためにも、紛争を正確に解決するためにもミスは許されません。
また裁判に係る書類は、膨大な量です。
この膨大な量の書類を素早く整理しなければならないため、素早さも求められています。
遅くなってしまうと、裁判に支障が出てしまいますからね。
なので、正確で素早い事務処理能力が必要になります。
コミュニケーション能力
裁判所事務次官に向いている人の二つ目の能力は、コミュニケーション能力になります。
その理由は、裁判所事務次官は裁判所書記官の指示の下で仕事もするからです。
裁判所事務次官の仕事は、なにも一人で行う書類の整理だけではありません。
裁判所書記官と一緒になって、裁判の準備も行います。
この準備の際にコミュニケーション能力が必要になるんです。
もしコミュニケーション能力が足りなかったら、正確な書類が準備できなかったり業務に支障が出てしまいます。
また、裁判所には日々多くの人が訪れ、その対応も裁判所事務次官が行います。
コミュニケーション能力が足りなかったら、対応も不十分になるでしょう。
対応の不十分が新たな火種になることもあるので、注意が必要なんですね。
なのでコミュニケーション能力が必要になります。
公平性
裁判所事務次官に向いている人の三つ目の能力は、公平性になります。
公平性が必要な理由は、裁判に裁判所事務次官の感情を反映させないためです。
みなさんも想像ができると思いますが、裁判に私情が入ると正確性が失われてしまいます。
正確性が失われた裁判ほど意味のないものはありません。
そのような不正のため意味のない裁判を防ぐために、裁判所事務次官にはとくに公平性が必要になります。
いち早く変化に対応できる能力
裁判所事務次官に向いている人の四つ目の能力は、いち早く変化に対応できる能力になります
なぜなら裁判では、日々新しい判例が生まれ、法律も改正されていくからです。
裁判所では、日々いくつも裁判が行われています。
そのひとうひとつの裁判では、判決が出て判例として日々蓄積されていきます。
判例を理解して次の裁判に生かすために、裁判所事務次官は判例を覚えておかないといけないんです。
判例に加えて、法律も改正されていくので、そちらにも対応する必要があります。
対応できていないと、業務に支障をきたしてしまいますから。
なのでいち早く変化に対応できる能力が必要になります。
裁判所事務次官についてのまとめ
- 裁判所事務次官は裁判に関わる業務をする
- 給料と福利厚生はいい
- 公務員1ホワイトな職場
- 刑法という特別な教科が必要になる
- 面接は論理的な説明を
- 裁判所事務次官に向いている人は「正確な事務処理能力」「コミュニケーション能力」「公平性」「いち早く変化に対応できる能力」がある人
裁判所事務次官は公務員試験の中でも、また違った位置づけの試験になります。
法律の知識が深く求められるようになるので、細部まで暗記をしてください。
暗記ができれば、試験が受かったも同然。
合格まで努力を怠らないようにしましょう。
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