- 適性検査って何?
- どれぐらい重要なの?
公務員試験の適性検査は結構な試験に出題されますが、詳しいことについて分からない人は多いと思います、
憲法や民法などの公務員試験については聞いたことがあっても、適性検査について詳しく説明してくれるところは少ないです。
そこで適性検査の基本的な内容や出題範囲、どんな公務員試験であっても落ちない方法を紹介していきます。
これを知りたい人に書いています
- 適性検査の内容
- どの試験に登場するのか
- 適性検査の出題範囲
- 適性検査の重要性
記事を読み終えると、公務員の適性検査について理解することができ、落ちないための勉強がわかります。
公務員試験の適性検査とは
公務員試験で行われる適性検査は、性格検査や事務処理能力の高さを測るものです。
適性検査では、出題された問題の正解数に応じて、事務処理能力の有無を調べられます。加えて性格面での検査も同時に行われ、その結果でどのような性格であるか判断されます。
適性検査の内容は、10分~20分の間に小学生レベルの問題を100問解かされるものであり、単純な学力検査ではありません。
適性検査は学力を調べる検査でないので、すべての公務員試験で出題される試験ではありません。そのため一回も受けずに公務員になる人もいます。
ですが、重要な項目の一つとなるので、手を抜くことはNGです。
適性検査はどの公務員試験に登場するのか
適性検査はすべての試験で行われるものではなく、ある一定の限られた試験でのみ出題され、解くことになります。
- 国家一般職(高卒程度)
- 税務職員
- 地方上級
- 市役所
以上の4試験でのみ出題されます。
国家公務員試験でも大卒以上では出題されることはありません。また、地方上級や市役所の中でも、出題される自治体にバラつきがあります。
国家総合職でないってことは簡単!
知識系統を問う一次試験に比べれば、簡単と判断することはできますが、練習せずにいきなり本番で解くと解けないこともあります。
簡単な問題だからこそ、4つの試験を1つでも受験しようと思う人は、一度対策をしておきましょう。
公務員適性検査【性格面】の内容
こちらの性格面の適性検査については、一定の課題をこなす中での「あなたの集中などから性格」を見抜く試験となっています。
やることになる検査については、自治体ごとにまちまちですが、大体は以下の3つの検査に分けられます。
- 内田クレペリン検査
- YG性格検査
- ロールシャッハ検査
内田クレペリン検査
内田クレペリン検査は、皆さんも小学生の時にやったことのある検査であり、隣同士の数を足していく検査です。
1行ごとに制限時間が決まっており、集中力と根性が必要になります。
例
4 3 2 4 1
7 5 6 5
「4+3=7」「3+2=5」「2+4=6」「4+1=5」というように解いていきます。
多くの自治体で前半と後半の2段階体制で行われており、「前半15分」「休憩5分」「後半15分」の計35分間の試験となります。
後半になると解ける数が極端に少なくなりますが、諦めずに最後まで頑張りましょう。
ちなみに私が受けた試験は内田クレペリン検査が多かったです。
YG性格検査
YG性格検査は質問に対して「はい/いいえ」で答えていく検査です。
例
- 主体的に動く方だ
- 1人よりも友人と一緒にいたい
- 気分が落ち込みやすい方だ
- 気に入らないことははっきり言う
- 逃げ出したくなる時がある
このような質問が何問か出題され回答していきます。本当に単純な性格診断のようなものです。
おおよその時間は15分間であり、制限時間内に100問を回答することになります。
時間制限が設けられますが、直感で答えていけば半分以上時間を残して終了できます。性格診断なので、考えすぎず回答してください。
ロールシャッハ検査
ロールシャッハ検査は、絵を見て何に見えるか、何を感じるかを答える試験です。
受験生は同じ絵を見ていますが、人によっては、老婆に見えたり、貴婦人に見えたり、恐怖を感じたり、親しみを感じたりと、人による印象の違いを見ます。
本当に正解は無い検査なので、気楽に楽しんで受けると良いですよ。
公務員試験の適性検査の出題範囲【事務処理】
適性検査の出題範囲を確認することで、効果的な対策を取ることが可能です。
なので、まずは適性検査の出題範囲を確認しましょう。
- 分類問題
- 置換問題
- 照合問題
- 計算問題
- 図形把握問題
5つの項目に分かれています。
この出題範囲は国家公務員であっても、地方公務員であっても変わりません。必ず同じ範囲で出題されます。
出題範囲がわかれば、時間をかけず対策も簡単に立てられるので、まずは確認からです。
ですが、問題数と制限時間で少しの差があるので注意が必要です。
国家試験は120問で制限時間15分、地方試験は100問で10分となっています。難易度は変わらないので、手間が増えるか減るかだけになります。
少しばかり違いはありますが、試験内容に大きな差はありません。
では次からどのような問題が出題されるか説明していきます。
分類問題
この分類問題では記号や文字、数字を素早く正確な分類ができるかを見られます。
問題の例としては以下のようなものが出題されます。
- 数字の分類
- 一定の範囲の分類
- 情報の分類
出題傾向ごとに例題を示していきますので、見ていきましょう。
数字の分類
出題された数字に当てはまる位を選ぶ問題になります。
問題
- 1891を分類表の当てはまる択を選びましょう。
① | ② | ③ | ④ | ⑤ |
百の位が4 一の位が3 | 百の位が2 一の位が7 | 百の位が6 一の位が3 | 百の位が4 一の位が2 | 百の位が4 一の位が0 |
⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | ⑩ |
百の位が6 一の位が4 | 百の位が1 一の位が9 | 百の位が8 一の位が1 | 百の位が8 一の位が1 | 百の位が3 一の位が9 |
この問題であれば、百の位が8で一の位が1である問題の正解は⑧になります。
コツとしてはまずは「百の位」「一の位」かに注目して、一つひとつ丁寧に解くことです。迷うことなく解くことができます。
一定の範囲の分類
指定された2つの値を選び出すものになります。
問題
- 次の数字が当てはまる範囲を答えなさい。
あー23
10~20 | 21~30 | 31~40 | |
あ~か | ① | ④ | ⑦ |
き~は | ② | ⑤ | ⑧ |
ひ~わ | ③ | ⑥ | ⑨ |
この問題であれば、「あ~か」の間で「10~20」の間であるので④番が正解になります。
こちらも先ほどと同様に片方の値に注目して解くと解きやすいです。
情報の分類
組み合わされたいくつかの要素の中から合致しているものを選択します。
問題
- 学生の成績に関する4つの要素のうち2つの要素を組み合わせたものとして正しいものを選べ。なお各教科の成績と総合成績はABCDで判断するものとする。
Q:総合成績B、算数の成績Eはどこに該当するか。
国語 | 算数 | 国語 | 算数 | ||
A~C | A~C | D~F | D~F | ||
学生 | □、☆ | ア | イ | ||
総合成績 | A~C | ||||
学生 | △、〇 | ウ |
「総合成績BはA~Cの間、算数の成績EはD~Fの間」であるため、この問題の正解はウになります。
情報が多いように思えますが、整理していけば意外と簡単に答えはわかります。情報に惑わされないように、情報を吟味しましょう。
どうでしたか?かなり簡単だったのではないでしょうか。
範囲は探すのに時間がかかりますが、考える必要のあまりない問題が多いです。なので情報をしっかり整理して落ち着いて解いていきましょう。
置換問題
置換問題は、決まった法則の文字列が何を表しているか、情報を頼りに整理して答えるものです。この置換問題は一種のパズルのようなものであり、何も考えることなく問題を解くことができます。
そんな置換問題の出題傾向はこのようになります。
- 漢字と数字の問題
- 表を用いた問題
- 漢字とカタカナの問題
出題傾向ごとに例題を示していきますので、見ていきましょう。
数字と漢字の問題
一定の法則に従って数字がある漢字に置き換わっている問題です。
問題
- 問題の5文字の数字を表に従い漢字にした場合、正しく変換されている数をマークしましょう。
問、53826→真市用琉可
3=水 | 7=月 | 1=真 |
4=産 | 5=域 | 8=可 |
2=琉 | 9=御 | 6=絵 |
この問題の答えは、正しいものが「2=琉」のみであるため、今回は①をマークすることで正解となる。
正しいものがいくつか指定されていないので、すべての値を確認しなければなりません。情報は多いですが落ち着いて解いてください。
表を用いた問題
表の中の数字や文字と対応させて、指定された文字に当てはまるものを選びます。
問題
- 与えられた表を用いてアルファベットを置き換えて正解を答えろ。
問、AaBaDc
a | b | c | d | |
A | あ | く | そ | は |
B | だ | ふ | た | う |
C | こ | も | を | け |
D | で | お | ゆ | ず |
①あだゆ②ふくた③あだこ④おもゆ⑤ずこだ
この問題の答えは、「Aa=あ、Ba=だ、Dc=ゆ」なので①となる。
「Aa」「Ba」「Dc」の中から軸となる1つを探して、順番に潰していきます。問題にもよりますが、真ん中の文字から考えると早く解ける問題が多いです。
漢字とカタカナの問題
漢字とされに対応するカタカナを探していく問題です。
問題
- 問題の5文字の漢字を表に従いカタカナにした場合、正しく変換されていない数をマークしましょう。
問、副服福複復→カサアタナ
副 | 服 | 福 | 複 | 復 |
ア、イ | カ、キ | サ、シ | タ、チ | ナ、ニ |
この問題の答えは「複=タ、復=ナ」の2つ以外不正解であるため、正解は③。
地道に確認していくしか方法はありません。似た文字が多いので、スピード感は持ちながらも丁寧に解いていきましょう。
どうでしたか?
置換問題は表と見比べつつ、解いていくものになります。探すことに時間のかかる問題が多いため、パターンを見極めてしっかりとした対策を取っておきましょう。
照合問題
照合問題とは、選択肢の中から与えられている情報と同じものを選択するものになります。簡単に説明すると間違い探しのような問題です。
そんな照合問題の出題範囲は以下のようになります。
- アルファベットと数字照合
- 情報の照合
- 文章の照合
出題傾向ごとに例題を示していきますので、見ていきましょう。
アルファベットと数字照合
与えられたアルファベットと数字の組み合わせと合致しているものを選ぶ問題です。
問題
- 次の数字とアルファベットの組み合わせと同じものを選べ
537-shai
① | ② | ③ | ④ | ⑤ |
537-shai | 538-shai | 537-shal | 538-saih | 537siah |
この問題であれば正解は①になります。
アルファベットよりも数字から探して方が早く解くことができます。数字を見つけたら、違いのカギとなるアルファベットを探して、見分けることがコツです。
情報の照合
提示される2つの情報のうちで、合っているもの、間違っているものを判断する問題です。
問題
- 町に関する4つの要素を比べ、異なっている部分を訂正せよ。異なっている部分が町名なら①、人口なら②、できた年③、男女比④、違いがなければ⑤で答えろ。
町名 | 人口 | できた年 | 男女比 | 町名 | 人口 | できた年 | 男女比 |
A市 | 50万人 | 1953 | 7;3 | A市 | 60万人 | 1923 | 7;3 |
この問題であれば「できた年」が違うため、正解は③になります。
単純に見比べる問題です。本試験ではもう少し複雑なものが出ることが多いので、見間違いにだけ注意するべ問題ありません。
文章の照合
与えられた文章の中での間違いを探す問題です。
問題
- 与えられた2つの文章を見比べて、異なる部分の数をマークせよ。
- 大学の教授から宿題にされたレポートが終わらない
- 第学の教授から宿題とされたレポートが御わらない
この問題であれば、異なる部分が3つですので正解は③をマークすることになります。
頭から見ていき、間違いの部分を○で囲むなどしてわかりやすくし、後でまとめてマークしてください。そうすると、時間のロスなく解けると思います。
どうでしたか?
簡単な問題が多く悩むことが少なかったのではないでしょうか。本当にただの間違い探しですので、時間をかけている場合ではありません。
素早く見つけることができるようにしておきましょう。
計算問題
計算問題は、単純に計算能力を確かめるものです。
その計算問題の出題範囲は以下のようになります。
- 単純な計算問題
- 穴埋め
- 問題の計算式と同じ答えのものを選択
では一つずつ説明していきます。
単純な計算
「+、-、×、÷」を使った単純な問題です。
問題
この答えは0であるため、0をマークする。
乗数計算は加算計算よりも先に計算する、カッコ内の計算は先に行うなどの計算ルールにだけ気をつけてください。
穴埋め
指定された問題の中に虫食い部分があるので、そこに入る数字を答えます。
問題
式の左右で同じ答えにならなければいけないため、□の中には6が入る。
右の式と左の式の答えは一緒にならなければ、式が成立しません。虫食いされていない方の式から数字を移行して解いてください。
問題の計算式の答えと同じものを選ぶ
与えられた式の答えと同様の答えとなる式を選びます。
問題
- 下記の式と同じ値になる番号をマークせよ。
95÷5+9
- 100÷2-25
- 2+9×3
- 11+20-5
- 4×6+4
- 75-73+20
95÷5+9=28であるため、計算の答えが28になる答え④が正解となる。
簡単に解けるものから確認していき、徐々に答えを狭めていきましょう。明らかに違う答えとなるものについては計算する必要はありません。
その問題もレベルとして難しいものは出題されず、小学生低学年レベルの問題が中心です。
しかし、その分油断してしまう人が多いです。落ち着いていれば、ミスをすることはありません。
ケアレスミスで点数を落としてしまうことはもったいないので、注意はしつつスピーディーに解いていきましょう。
図形把握問題
図形把握問題は、図形を変形させたり、回転させたりしたものを答えさせる問題です。
その問題内容は以下のように分かれます。
- 同一図形を選択もの
- 図形の一部分を変形させるもの
- 図形を回転させるもの
図形把握問題は、間違い探しやパズル的な要素含むことはなく、想像力が試されます。
頭の中で図を描ける人は描いて、短時間で問題を解けるようにしておきましょう。解けない人であれば、実際に図形を書きながら、正解のものと見比べると比較的簡単に解けます。
この図形把握問題は苦手な人が多く、解くための時間がかかって低い点になる人がよくいます。この問題を解くのは後回しにして、より早く解ける問題を先に解きましょう。
適性検査に関しては、スピード命でどこまで正確に解けるかが勝負です。図形問題が苦手な人で解くことが遅い人は、早めの時期から少し対策をしておくほうがいいと思います。
公務員試験の適性検査が重要は嘘なのか
得点源として重要なの?
と適性検査の重要性に疑問を持っている人も多いことだと思います。
正直な話を言うと、あまり重要な試験ではありません。
適性検査はあくまで事務処理能力や性格診断のために行われ、知識を測るものではありません。
人並みの事務処理能力を確かめるためのものなので、点数が良い悪いというのは総得点には反映されません。
仮に適性検査で満点を取ったとしても、筆記試験の点数が合格点以下なら、一次試験を突破はできないです。
合否に直接関係ないという点において、適性検査の重要度はとても低くなります。
公務員試験の適性検査で落ちる人はいる!
ただ適性検査は重要ではないといいましたが、勉強はしておいてください。
ん?どうして?
それはあまりにも点数が低いと不合格になってしまうからです。
先ほども紹介したように、適性検査は事務処理能力等を測るものになります。
しかも問題を見てもらってわかるように、問題内容は難しくありません。難しくても小学生レベルの問題しか出題されることはないです。
簡単な適性検査で低い点数を取るということは、事務処理能力に極端に難がある判断されます。
公務員は事務処理をメインとした仕事であり、素早い処理が求められる仕事です。なので、重要でないといえ、あまりにひどいと筆記試験で高得点をとっても不合格になってしまいます。
じゃあ、1日2時間はやる!
というように毎日やる必要も、時間を数時間単位で取る必要もありません。ただ、参考書を買って1周解いてみることや、過去問を入手してイメージをつけておくことをオススメします。
不合格にならない程度に、こまめに勉強はしておきましょう。
公務員試験の適性検査まとめ
- 適性検査は事務処理能力や性格診断を行うもの
- 「国家一般職(高卒程度)」「税務職員」「地方上級」「市役所」で出題
- 性格診断は「内田クレペリン検査」「YG性格検査」「ロールシャッハ検査」
- 知識診断は「分類問題」「置換問題」「照合問題」「計算問題」「図形把握問題」
- 適性検査は重要ではない
- あまりに点数が低いと落ちる
適性検査は限定的な試験でしか出題されないため、自分がいるかいらないか見極めておく必要がります。
内容自体は簡単なので、そこまで弁居は必要ありませんが油断は命とりです。
試験前に一度問題を解いてみて感覚を掴んでおきましょう。
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