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LD通級教室の担任となり4年。子どもたちに育てられてきた実感をもっています。そんな日々の実践を残すことで、全国の皆さんと交流出来たら嬉しいです。10日、20日、30日の更新を目標にしています。
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18年度よりLD通級教室を担任しています。SENS受講生です。
臨床発達心理士を取得しました。

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感覚統合っておもしろい! [2009年11月23日(月) ]
アップが大幅に遅れてしまいました。

新型インフルエンザの猛威は西風の地区にも及び、日替わりで学級閉鎖が出るような状況です。
疫学的な部分になるので軽はずみに考えてはいけないのでしょうが、季節性のインフルエンザであれば学級の三分の一程度が休まないと「学級閉鎖」の判断が出ないのに対し、新型では5名で(七分の一ほどでしょうか)「閉鎖」措置となる現状。
未知であったり、見通しが立たなかったりする出来事に対してはより慎重にならなくちゃいけないというところでしょうか。

教室の中でも、見通しの持てなくなると不安を強く感じてしまうお子さんがおられます。

地球上の多くの人が感じている、一連の新型インフルへの不安感は、もしかしたらそういったお子さんの疑似体験をさせていただいているのかもしれませんね。

やっぱり「これからどうなるか分からない」ことは、落ち着かないものであることを忘れないようにしないといけないなあ、などと考えています。


さて、11月21日22日に行われた「感覚統合専門職向け講習会」に参加してきました。

ある先生が講演の際に「先生方は目にたくさんうろこがついておられるようで」とおっしゃってましたが、私も何枚もの「うろこ」をぼろぼろと落としてきたところです(苦笑)。


今回は、講習会のレビューをまとめてみます。

講習会の主催者は長崎市にある「NPO法人なごみの杜」さんで、講師は日本感覚統合学会会長でなごみの杜の代表でもある土田玲子先生でした。

講習は基本的に
@感覚統合「遊び」の体験
Aグループによる「遊び」の分析と発表
B土田先生からのフィードバック

というスタイルで、3クール。
最後に、当事者さんを含めての「遊び」を、各グループで企画運営し全体でフィードバックをする。
という内容でお勉強をしました。

40名ほどの参加者が4つのグループに分かれて「遊び」の体験を行うのですが、これがまたハード(汗)

なんせ、1クールで体験する「遊び」は4つ、3クール目では8つの「遊び」と、全部あわせて16もの種類を2日間で体験するという盛りだくさんの内容、加えて土田先生スタイルなのでしょうか、ほぼすべての遊びがチーム内対抗戦のため手を抜くこともできず・・・と、いろんな意味でおなかいっぱいになりました。

「遊び」の種類としては、「スクーターボードリレー」や「シェービングクリーム宝探し」、「トンネル遊び」などメジャーなものから、じゃんけんで負けるたびにチームの乗れるモノが減っていく「陣取り」、転がしドッヂボールのボールをボルスター様の棒に変えての「ロールジャンプ」、「人間知恵の輪」など、私自身が思いもしなかったものも含めての16種類でした。

体験の後はグループごとに「遊び」の分析。OTさんの参加が多く、教育職の私はその専門的な視点に大変な刺激をいただきました。
グループ討議の内容を一つの「遊び」を例に紹介します。

1クール目の分析で我々が担当したのは「スクーターボードリレー」でした。
分析の視点として
@感覚入力の種類とその程度
A必要とされる基本的な運動(姿勢)
B要求される運動企画の程度
C知的能力の程度
D社会的技能の程度

という、5つについて話し合います。

@感覚入力の種類とその程度
 スクーターボードにより、もっとも強く入力されるのはやはり「固有受容覚」だと考えられました。ボードに寝そべり足を上げた姿勢を保持することや、両手で床を押すことにより非常に強い固有受容覚を得られます。これはオープニング「遊び」にも関わらず、疲れの色を隠せない参加者の姿からも一目瞭然でした(汗)
 また、床を手掌で触れることやボードに寝そべることによる「触覚」の入力。スラロームの際に落ちないようにバランスをとる「前庭覚」。スラロームするコーンを視認する「視覚」も入力されます。

A必要とされる基本的な運動
 重力に抗するために、「腹臥位伸展姿勢の保持」をとりますし、進むために「上肢の両側協応動作」、「目と手の協調運動」も必要となります。

B要求される運動企画の程度
 バランスよくかつ上肢の可動を阻害しない「ボードに乗る位置や姿勢」であったり、コーナリングのための「重心の移動」、前に進んだり、向きを変えたりするための「両側協応動作」が必要となりそうです。

C知的能力の程度
 順番を待ったり、交代をしたりすること。また、スラロームするというルール理解も必要となります。また、加速度の知覚も知的能力の賦活化には有効と思われます。

D社会的技能の程度
 順番を守ったり、互いに励ましあったりする部分で社会的技能が伸長すると思われます。

と、いう風にまとめていきました。
それに対して、土田先生からは
「スクーターボード」は大変に強い固有受容覚を入力することができるということ、いわば合法的な筋肉活動の機会を与えるために大変有効であるということや、腹臥位伸展姿勢を保持することで体幹の筋緊張を高めることは、体幹が緩むことによって着座姿勢が崩れてしまうお子さんに、とってもいい活動になること、また、知的能力をさほど必要とせず、ロープで引っ張られるなどアレンジすることでさまざまな感覚入力ができるということについて、フィードバックをいただきました。

このようなプロセスの協議を4グループそれぞれが行いました。


また、最後には当事者さんを交えての「遊び」指導。
われわれ受講生が、当事者さんを交えて療育や教育をするというセッティングで「遊び」を運営しました。
終了後、当事者さんや土田先生、ほかの参加者の皆さんから運営の仕方などについてのフィードバックをいただき、これまた勉強になりました。


このように、和やか且つベリーハードな2日間でしたが、すべては最初に土田先生がおっしゃられた一言。「すべての「遊び」は適切なアセスメントにより取捨選択やアレンジを加えて実施すべし」に集約されると感じています。

子どもたちも大好きな感覚統合「遊び」。

それぞれのお子さんに感じてほしい感覚は何か。そのためにはどの「遊び」をどのような方法で行うのか。また、教育の場でそれをどのように位置づけるのか。
週明けの実践から考え直していきたいと思います。

遠くは岐阜県や京都府など西日本一円から集まられた参加者の皆さん、運営いただいた「なごみの杜」のスタッフの皆さん。協力してくださった当事者の皆さん。そして土田先生。ありがとうございました。

今後ともよろしくお願いします。
Posted at 15:59 | 感覚統合 | この記事のURL
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着座姿勢を整える(3) [2009年09月30日(水) ]
しばらくの間、この話題に触れることができませんでした。

ブログを立ち上げさせていただき、普段感じているもやもやを定期的にまとめることで、自分が今、何を考えているのか、何をしたいのかを明らかにできればと思っています。

が、この話題については、教師として私が子どもたちにどのようなスタンスで関わるべきなのか、考えるほどに混乱してしまっていました。

現時点で行き着いたのは、私は「きちんと背筋が伸び、両足が床にしっかりとついている」お子さんを増やしたいのでなく、「姿勢が崩れてしまうお子さん」を周囲の先生方に理解していただきたいというところです。その理解の上に立ってこそ、具体的な支援が有効に働くと感じています。
この、基本スタンスを忘れずに書き進めさせていただきます。

さて、これまでのブログにおいては、以下のトピックを立てていました。

http://edublog.jp/nagasaki-northstars/category_6/
@基本的な考え方
A固有受容覚と前庭覚
B身体各部に力を入れる感覚を高める
Cどの部分に力を入れるか、抜くか。身体的プロンプト
Dあえて作る不安定
E支援ツールの紹介

@とAについて、以前まとめていますので、本来ならBCと進むべきなのですが、今回はその前に、なぜ「姿勢が乱れるのか」を考えたいと思っています。こんな風に話題を展開したら、どこで収束するのよー(汗)となりがちですが、ご容赦ください(笑)。


教室を訪問させていただいたり、通級指導を行ったりしている際に、姿勢が崩れがちなお子さんをお見かけします。

代表的な姿としては・・・
A:机に対して正対して座っていない
B:猫背になっている
C:お尻を座面前にずらして、反り返っている
D:片足を座面に上げて座っている

E:一定の姿勢で止まっていない

というところでしょうか。


では、なぜこれらのようになってしまうのでしょうか。

実際に教室訪問をさせていただいた場合、授業後に担任の先生へのフィードバックを行いますので、その際に分かりやすく伝えることができるように、まずは以下のミスマッチがないかを確認するようにしています。

@教材のミスマッチ
A環境のミスマッチ
B関わり方のミスマッチ

いくつかの例から具体的に考えてみます。

@教材のミスマッチ
 このミスマッチは実に多く見られるものの、通常教室においては配慮ができにくい最たるものです。

 お子さん自身の理解する能力に対して、「進度が早すぎる」「漢字を読めないためにプリントに取り組めない」「果てしなく問題が続く・・・」といったミスマッチが、意欲をそぎ落してしまっている様子を見るのはつらいものです。

 さまざまな方が書籍やブログで実践を公開されていますので、ミスマッチの軽減法については触れませんが、実際に担任の先生と継続をして関わる必要のある私にとり、この部分に介入するのは大変に気を遣います。
 
 そんな弱腰で!と叱られるかもしれませんが・・・

 なんせ、小学校で学級担任をされている先生はお忙しいです。次から次に行事があります。進度も気になります。毎時間違う教科の準備をする必要があります。
 テンパっておられる状態の先生に「モア支援」を求めるということは、さらなる負担をかけてしまう、言い方やタイミングを誤り否定されているような感覚を与えてしまう可能性もあります。

 だからこそ、丁寧に慎重に、あくまで現状にちょっと手を加えることで変化が期待できる部分からの提案になっていくわけです。支援員さんへの効果的なオーダーも有効でした。(この点についてはまた後日に)

 でも、姿勢の乱れたお子さんのうち多くが、授業中につまらなそうな表情をしておられることを思い浮かべると避けては通れないものですよね。



A環境のミスマッチ
 「★さんはすぐ猫背になるんです」「☆さんはそっくり返ります」「■さんは足が机の足間から外に飛び出してしまいます」
 
 学校では、身体発育に応じて、標準的な机椅子の高さが概ね定められています。 「椅子に深く座った状態で、かかとがしっかり床に届き、机は肘を自然に下ろした高さ」といった風にですね。

 最近は見かけることが少なくなりましたが、低学年の教室では、模範児童の写真入り掲示物が貼ってあったものでした。

 でも、上記の標準的な高さはすべてのお子さんにとって適切なのでしょうか

 現在、我々特別支援教育に携わる者の口癖は「個に応じる」ですよね。では机や椅子の高さももっと柔軟に試してみるのも方法と考えています。

 例えば、「猫背が強い★さん」には、机面を胸近くまで上げてもいいでしょう。「そっくり返る☆さん」には、椅子の高さを上げてみるのも効果があるかもしれません。

 まずは、身体発育に伴う机椅子の調整、加えて標準的な高さにのみこだわらない柔軟さをお伝えするように心がけています。

 他にも体が横に向きやすいお子さんの相談を受けて観察に行ったら、窓際の端っこだったという笑い話も(汗)、視空間認知や視覚記憶が苦手なお子さんって、ちょっとねじれた角度がつくだけでもきっと見えにくいはずですよね。

 このように、環境のミスマッチについては、比較的先生方にもご提案しやすい部分です。



B関わり方のミスマッチ
 もともと、子どもたちは(大人も含めて)、学習意欲を旺盛に持っているものであるはずです。褒められて頑張り、叱られて涙ぐみ、そして克服して認められ。教室は本来ワクワクする空間でありたいものですね。
 そして、その空間をプロデュースする役目を負うのが教師であり、共に刺激し合う仲間が級友であるとも言えると思います。

 姿勢が崩れ、授業に対して無関心のように見えるお子さんをこっそり観察していると、1時間の中で何度か、顔が上がったり、鉛筆を握ったりという瞬間を見せてもらうことができます。

 多くの場合、先生が黒板に小黒板や絵などを貼られた瞬間であったり。課題の指示を受けて一斉に取り組みを始める瞬間が多いようです。

 この部分でのミスマッチが見られる場合には、聴覚的な理解が苦手なお子さんには視覚的な支援を、見通しを持たせることで安定するお子さんなら黒板の左端などに単位時間の流れの明記をであったり、机間巡視の際にまずはそのお子さんに関わっていただき方向付けをしていただいたり、などと提案させていただいています。

 また、姿勢の崩れているお子さんを見つけると「姿勢っ!」と言いたくなりますが、「あらーみんな姿勢のよかね〜」とか「△さんの姿勢はほれぼれするね〜」といったポジティブ言葉も大切ですね。なにより、そんな言葉がよく聞かれる教室では、子どもたち同士の関わりがとてもあたたかく感じます。

 関わり方のミスマッチ。最近は特別支援系の啓発も進んだため、先生方にも比較的受け入れやすいものではありますが、実際に支援が継続して行われているのかという点ではどうやら別問題のようです。
 定期的に教室を訪問して、先生方のご努力をうまく見つけ、上手にフィードバックすることでその関わりが維持されていくように関わる必要を感じています。




気づけば、だらだらと長文になってしまいました。
一番お伝えしたかったことは、「姿勢が崩れやすいお子さんをどうにかしようとする前に、ミスマッチがないか我々支援者が立ち止まることが必要なのでは」ということです。

 そのミスマッチをうまく整えることによって、多くのお子さんは笑顔で学習に参加してくれると思っています。学習へ参加する意欲が高まれば姿勢の問題は大部分で解決できるのかもしれません。


 もちろん、お子さんの中には身体各部の感覚の特異性があったり、運動企画がスムーズでなかったり、緊張の度合いを調節することが難しかったりすることで、うまく姿勢の保持ができない方がおられるのも確かに感じます。
「在籍教室におけるミスマッチの解消」と「個別指導における感覚統合」はセットで行うとさらに効果的なのは言うまでもありません。

 本シリーズ次回こそ、実際に教室で行っている感覚統合アプローチについてまとめたいと思っています(汗)。
(今回の記事はシリーズの都合上「感覚統合」カテゴリーにさせていただいています。ご容赦ください)

  




Posted at 10:00 | 感覚統合 | この記事のURL
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着座姿勢を整える(2) [2009年07月20日(月) ]
学習中の子どもたちの姿勢を観察させていただくと、実に千差万別で個性が表れています。

大部分のお子さんは「学習に対する意欲が足りない」訳ではないことを、担任の先生方には理解していただきたいなと常々思っています。

前回から書き始めた、「姿勢に着目シリーズ」、自分自身の考えをまとめさせていただきながら書き進めています。
あまり長文とならないように心掛けながら書いてまいりますので、どうかお付き合いをよろしくお願いします。


今回、最も参考にしたのはこの本です
(感覚統合Q&A 協同医書出版社)


現時点でのトピックとしては
@基本的な考え方
A固有受容覚と前庭覚
B身体各部に力を入れる感覚を高める
Cどの部分に力を入れるか、抜くか。身体的プロンプト
Dあえて作る不安定
E支援ツールの紹介

などを考えています。 今回は@とAについてまとめてみました。

@基本的な考え方
 「着座姿勢が乱れるとそんなに悪いのか」
 挑戦的な書き出しですみません。
 でも、時折感じるんです。「姿勢が乱れること=学習への意欲がない」という感覚。
 
 確かに、着座姿勢がゆがむと側わんが強くなったり、視力が低下したりするのかもしれません。
 ですが、あくまで問題は、現在行っている学習課題に子どもたちが「参加しているか」や、「理解しているか」であり、姿勢を正しくはしているんだけど、「姿勢を正す」こと自体に神経を払い過ぎたり、乱れることにより「叱られる」ことにびくびくしていたりするのであれば、なんのために教室にいるのかということにもなるんですよね。

 感覚統合について勉強をさせていただく中で、着座を保持するという行為一つをとっても、身体内の様々なセンサーを稼働させ、間断なく筋肉への指令を送っていることを知りました。

 「正しい姿勢」とは「背筋がシャンと伸び、足底が床にピタッとついている姿勢」だけを指すのでなく、それぞれのお子さんにとって、「もっとも楽に座れる姿勢」も考慮する必要があることを、まずは確認したいと思います。なんだかいつもの特別支援教育の考え方と一緒ですね。



A固有受容覚と前庭覚
 私たちは生きる上で様々な感覚を周囲から受け取っています。
 その感覚の中には「触覚」「視覚」「聴覚」など比較的意識しやすいものと、無意識に近いところで作用しているため意識されにくい「固有受容覚」や「前庭覚」と呼ばれるものがあります。
 これらの感覚は、絶えず連携を取り合い、それぞれの感覚から得られた情報を総合して、認知をしたり、行動をしたりしていると言えます。(バニラエッセンスの匂いを嗅ぎながら真水を飲むとなにやら甘く感じる!なども、味覚と嗅覚の情報の混乱と言えますね。プリン+しょうゆ=ウニなんてのもそうなのかもしれません(笑))

 さて、これらの感覚の中で、着座姿勢に大きく関係するのが「固有受容覚」「前庭覚」の二つだと考えられています。
 普通に生活している際には使っていることさえ意識できない感覚であるがゆえに、これらが起因する様相の一つである「着座姿勢の乱れ」が、精神論で片付けられたりしてしまうことが起こってしまう訳なのですね。

 すこーし教科書的になってしまいますが、これら二つの感覚を西風なりにまとめさせてください。

 固有受容覚とは
 固有受容覚とは、筋肉を使う時や関節の曲げ伸ばしによって生じる感覚です。

 このブログを今読んでくださっている皆さんは、きっと、画面を注視しながらも、文章が進んでいくと、パッド上で人差し指を滑らせたり、下矢印キーを押したり、マウスのホイールを回したりしながら、ページをスクロールさせておられると思います。
 その操作をなさる時は多くの方は、指先に意識を強く振り分けることなく、いわばそちらを見ることもなく行っておられるのではないでしょうか。
 また、パッド上を滑らせる指の強さやキーを押す強さもきっと適切な力加減で行われていると思います。

 いわば、見ずとも体の各部がどこにあるのか、どんな態勢をとっているのかを認識するのが「固有受容覚」の働きの一つと言えるのです。

 ニキリンコさんは、「こたつに足を入れると足がなくなったと思っていた」と言われています(自閉っ子こういう風にできてます:花風社)が、固有受容覚の低反応が強いと、体を動かす際に「動かすぞっ」と意識を振り分けたり、その都度その部分を見て確認することが必要となったりしてしまいます。
 また、同著で藤家寛子さんは、「お風呂に入ると、水の感覚により体の全体像を感じることができる」とも言われています。

 「着座姿勢を整える(1)」で登場してもらった☆くんが、片足を椅子に上げて座ることも、意図的な筋緊張を作り出し、安定した姿勢を作ろうと自分なりに編み出した方法なのかもしれませんね。
 
 自分が座っている姿勢は自分では見えません。知らず知らずに腰回りの筋緊張が弱まりくにゃっとなったり、ちゃんと座らなくちゃということを常に考え続け、疲れ果ててしまったりすることも十分に予想できますね。



前庭覚とは
前庭覚とは、平衡感覚を含めて、重力や加速度に反応する感覚です。

各種ある感覚の中でも、前庭覚はより強力であり、他の感覚との関連上大変重要な感覚と言われます。

前庭感覚の働きとしては、@覚醒状態のコントロール A自律神経との連携 B筋肉への力の加え方などの調節が挙げられます。

だっこされて優しく揺らしてもらうと眠くなるのは@ですし、車酔いはAの影響となりますね。

また、倒れそうになったら「おっとっと」となるのは、Bが正常に働いていると言えるのかもしれません。(赤ちゃんのおっとっとはあまり見ませんし、転んで深刻な怪我につながるのはお年寄りですものね)

 着座姿勢が良くないお子さんは、分の身体がどれくらい傾いているのか分かりにくいという面もあると思われます。多くの場合、体幹が片方に傾いたら、それを立ち戻らせようという筋肉の使い方がなされます。いわば、小刻みにそれを繰り返すことで我々は姿勢を保持しているのでしょう。

 ☆くんはバランスボールに座っての姿勢保持や片足立ちが苦手でした。特徴として、「傾き始めた体を止めることが難しい」という状態が見られましたね。
 きっと、彼においては前庭覚の低反応も、姿勢保持の難しさに影響しているのだと予想されます。


さて、話が長くなってきたので、今回はここまでにさせていただきたいと思います。

専門職の方などで補足をしていただける方は、どうぞコメント欄からお願いいたします! 

Posted at 10:48 | 感覚統合 | この記事のURL
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着座姿勢を整える(1) [2009年06月30日(火) ]
通常学級の観察をさせていただくとき、まずお子さんの学びの姿勢を見させていただきます。

両方の足底を床に着けているか。シューズのかかとを踏んでいないか。机に対して体がねじれていないか。傾いていないか、前のめりや後ろもたれになっていないか。机上の整頓はされているか。などなど、見るべきポイントはたくさんありますが、学びの姿勢が気になるお子さんの多くは、学習面や生活面において、何らかの困りを感じておられることが多いようです。

「心が弛むから姿勢も弛む」
通常学級を担任していた頃の私は、そう考えていたのかもしれません。

LD通級の担当者としてお子さんや先生方と関わらせていただく間に、姿勢が乱れがちなお子さんに、精神論では語り尽くせない困りを実感するようになりました。

今シリーズは、そんなお子さんに対しての関わりをまとめてみます。まず今回は、お子さんの実態と、個別指導でのアセスメントです。


『☆くんは低学年の男の子です。
注意がなかなか安定しないことと、聴覚的な認知の弱さがあるために、先生の指示を聞き漏らすこともしばしば、授業中にどのページを開くとよいのかわからなくてキョロキョロしていることも見られます。
着座姿勢も片足を椅子の上に上げることが多く、机にあごをつけて書字をする姿も見られます。
椅子の前足をあげてバランスをとったり、足が机の外側にあることもあります。
机上は雑然としており、ハンカチや前の時間の教科書がのっていることもあり、よく学習道具を取り落としてしまいます。』




姿勢の乱れが目立つお子さんとお勉強させてもらっていると、固有受容覚前庭覚の未成熟さを感じることがあります。
そのようなお子さんについては、通級教室における個別指導の中で、感覚統合療法を分かる範囲で取り入れています。



☆くんと個別指導をする中で見えてきた感覚統合面の課題は、
@片足立ちやバランスボール上での姿勢保持が難しい
A目をつぶった状態で触られた身体部位を、的確に答えられない

の、2点でした。

少し詳しくご説明します。
@片足立ちやバランスボール上での姿勢保持が難しい 
 特徴的だったのは、片足立ちにしてもバランスボールにしても、ゆっくり傾いていくのを止めることができず、「あぅわぅわぅわー」といいながらバランスを崩してしまう様子が見られました。
 多くのお子さんにバランスボールに乗ってもらい。軽く揺すると、ある程度まで傾いたらそちらに足を出して倒れないようにしたり、手を広げてバランスをとったりします。慣れてくると下半身は傾きながらも上半身は地面に対して垂直となり、腰でバランスをとるようになってきます。
 ☆くんの様子を観察していると、ボールが動き体が傾いたときに立ち戻ろうとせず、傾きが臨界まで達したら、叫び声とともに(笑)体を投げ出すように落ちてしまっていました。

 揺れや傾きを感知する感覚、「前庭覚」の働きが弱いため、自分の体が今どんな傾き方をしているのかが分かりにくいのかもしれませんね。椅子の後ろ脚だけでバランスを取りながら、前庭覚への自己刺激を入れて、離席を我慢しているのかもしれません。



A目をつぶった状態で触られた身体部位を、的確に答えられない
 ☆くんに目を閉じてもらい、手指を触り、「この指なんだ」と尋ねると、時折誤った答えが返ってきます。特に左手の3指4指あたりが混乱するようです。
 また、背中に文字を書き答えてもらったり、ボードに背中の絵を描いて、私が実際に触った位置はどのあたりか答える課題でも不安定な回答が見られます。

 身体の中の各部位の位置感覚や力加減を感知する感覚、「固有受容覚」もまだ、充分に発達していないようです。
 姿勢をまっすぐに保持しようとしても、どの筋肉に力を入れるとよいのかが分かりにくかったり、自分の注意の向いてない身体部位の操作が自動的にできにくいのかもしれません。


そんな☆くんと個別指導を行ったり、学級担任の先生に協力をしていただきながら取り組んでいることを、次回にかけてまとめていきます。

参考までに・・・
感覚統合療法については、岩永竜一郎先生、ニキリンコさん、藤家寛子さん共著の以下の本が、とても分かりやすく書いてあります。
興味のあられる方はどうぞ読まれてみてください。ちなみに「続々」はピンク色の本です。
「続 自閉っ子こういう風にできています」「続々 自閉っ子こういう風にできています」花風社
Posted at 01:19 | 感覚統合 | この記事のURL
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