西風のブログも早いもので書きはじめて1年が経過しました。
0のつく日に更新をと目標を立ててはいましたが、なかなか守ることができず情けないばかりです。
9のつく日くらいにならないと「書かなきゃ〜」って思わないものでですね〜。
ともあれ、このようにブログによる発信をはじめてから、幸せにも多くの方と出会うことができました。
LD通級教室を一人で担任しているという立場上、疑問や周囲の期待に対し一人で立ち向かわなくては、みたいな構図にはまってしまいがちなのですが、日本中におられる素晴らしい仲間の存在を感じる度に安心します。独りよがりになってはいないかと点検できます。
これこそが一番ありがたいことなのかもしれません。
皆様今後ともよろしくお願いします。
さて、「卒業式de支援」というテーマでの話題、パート2になります。卒業式どころか、入学式も終わってしまった今日このごろではありますが、記録としてご容赦いただければ嬉しいです。
ちなみに、パート1はこちらです。
http://edublog.jp/nagasaki-northstars/archive/40
パート1では、幼稚園や養護学校の卒業式に列席できた経験から、そこで感じたことや特徴的な支援を紹介し、それらを通して考えたことをまとめました。
パート2では、西風の学校で現在行っている支援について、いくつか紹介したいと思っています。
@式次第のプレゼンテーション提示
A必要なお子さんへの手持ち式次第の配布
B花粉症で鼻をかむときにむっちゃ大きな音になっちゃう子への支援
C見通しは持てても我慢ができない可能性がある子の支援
D支援学級在籍の自閉症のお子さんに、100人もの証書授与を我慢してもらうための支援
の、5つの支援をご紹介します。
@式次第のプレゼンテーション提示
A手持ち式次第の配布
西風の勤務校でも取り組みはじめて5年目となりました。
元々、養護学校に勤務していたときに、同僚が始めた支援です。
全体の見通しを明らかにすることや、現在なにが行われているのかを確認することをねらって提示しています。
画面の構成は
○白地に黒で現在のプログラム名を提示
○画面効果は極力入れない
○画面下部には全体のプログラム数分の「ニコニコマーク」を配置し、終わったら色がついていくとしています。
慣れてくると、写真を挿入したり、画面効果を鮮やかにしたり、式辞などを要約提示したりなどの活用を考えたりもしましたが、本来の目的である
「主体的に参加するため」のツールの立ち位置としては現在のシンプルが妥当なのかなと思っているところです。
「書字」により人々の思考力が奪われることを嫌い、「口承」にこだわったソクラテス:By プルーストとイカ
ではありませんが、支援のバランスは大事なところなのだろうと思っています。
全体支援はプレゼンテーションにより行いますが、このプレゼン画面を必要な児童には手持ちにして配布したり、入学式の際は各学級で子どもたちへの事前指導に活用してもらったりとしながら個別に軽重をつけているところです。
全体的な支援はこの程度にとどめ、これを各学級でどのように活用するか、担任の先生方にこの支援の本質的な意味をどのように伝えていくかを、今後も考えていきます。
ちなみに、昨年度末に参列した養護学校の卒業式では、式次第はプレゼン提示されていませんでした。設置されたスクリーンには校歌に合わせてその歌詞が・・・。
これをどう評価するか、難しいものです。
BCDは西風への相談はいただきましたが、最終的に担任の先生方が考えられて実践された支援です。さすが担任の先生!しっかりお子さんにマッチしていました。
B花粉症で鼻をかむときにむっちゃ大きな音になっちゃう子への支援
卒業式に、入学式。気候もよくなり春の訪れに心ウキウキなのですが、同じように花粉もフワフワと飛び始めます
AちゃんはPDD診断があり、中学年途中まではリタリン服用と通級指導を週4回行っていたお子さんです。
そんなAちゃんに対して担任の先生方は、できる限りの視覚的な支援やABC分析をベースにした適切な分化強化を意識して関わってくださりました。
その取り組みをいただく中で、Aちゃんは学級集団への適応が進み、トラブルを未然に防ぐために行っていたSSTも、トラブル後に行っていたコミック会話も必要がなくなってきたために、通級による取り出し指導はお休みすることができるようになりました。
いつかAちゃんの話もまとめてみたいものです。
さて、そんなAちゃんも4年生となり、いよいよ卒業式に参加します。手持ちプログラムなどにより支援を行うことになっていましたが、そこで出てきたのが伏兵の
「花粉症」
むずむずするためにAちゃんも鼻をかむのですが、その一連の動作の潔いこと!全身を震わせるように力を入れて「ぶおーーっん、ちゅいーーんっ」と
鼻をかむくらいいいやん
ってはなかなかならないんですねぇ。そこで担任の先生が考えられたのがコレ
教室に貼ってある「声のものさし:鼻かみ編」
彼が「ちゅいーん」とかむ度に担任の先生が指で大きさを数字で出します。
何度か繰り返すうちに、
大きさの調節ができるようになっていました。
というか、この二人の間の空気感がなかなかほのぼのとして、見ているこちらもいい気持ちになりました。
これこそが、年間通して培った信頼関係なんでしょうね。
C見通しは持てても我慢ができない可能性がある子の支援
これはちょっといらいらするBちゃんへの支援です。
アトピーもあるし、ちょっと揺れてるくらいが安定する特徴のあるBちゃん。
ちょっと動きが目立っちゃうのを気にした担任の先生は、
Bちゃんへの励ましの手紙を、前席の椅子の背もたれに箱をつけて挿してあげてくださってました。
ソーシャルストーリーを学ばれた先生ではありません。ごくナチュラルなあたたかい先生です。
Bちゃんのためにと書かれた励ましの文章。
心のこもった文面、けして威圧的ではないその内容に感心しました。
D支援学級在籍の自閉症のお子さんに、100人もの証書授与を我慢してもらうための支援
西風の学校の卒業生は約100名
証書授与にかかる時間は約30分。
脈々と受け継がれてきた儀式とはいえ、時に「これって拷問?」と感じることがあります。
延々と繰り返される証書授与。厳密な礼法指導によりほぼ同じ動きで子どもたちが流れていきます。その姿はまるで金太郎飴。
支援学級のCちゃんは、証書授与の時間の半ばが過ぎると、周囲の子供が喜ぶようなNGワードを口走っちゃったり、立ち上がったりと不安な気持ちを必死に押さえようとしています。
支援学級の担任の先生と、あまりに負担があるようなら、
証書授与後の入館も視野に入れていましたが、試しに行った支援がはまりました。
それがこれ
ボードに
卒業生全員の名前を書いた用紙を貼り、一人ずつ授与が進むのにあわせ磁石を移動していきます。
聴覚刺激の弁別は元々上手なお子さん、
ちょっとした手順の誤りは隣席の同級生からサポートを受けながら取り組むことができました。
ボードを手持ちでなく、
前席に固定したことで、立ち上がることの抑制にもなっていたようです。
また、式の始まる前にはCちゃんの近くに座られる保護者の方々に対し、彼の特性と不安から生じる特徴的な行動の説明と周囲のあたたかい無視の仕方についてお話をする時間をとらせていただきました。
子どもたちを含めた、周囲の皆さんのあたたかい配慮の中で、Cちゃんは無事に式に参加することができました。しかも
「我慢して」参加するのでなく、放送を聞いて磁石を動かすなどある部分では
「主体的に」です。
このような空気こそが、インクルーシブな社会を形作るベースになるのかもしれませんね。
アップをさぼっていた反省から、気づけば長文になってしまいました。
特別支援教育に携わる人間として、儀式的行事とどのようにつきあっていくのか、今後も大切にしていきたいものです。