本日10月11日は東京学芸大学においてLD学会が行われております。
私西風も、平素の実践を公開し今後の支援に生かしていきたいと考え、拙いながらもポスター発表をさせていただきました。
この文章自体は事前に書いておりますので、実は、当日うまくいくかどきどきしているのですが(汗)
私のポスターの発表持ち時間は、「11日(日)9時から12時」。
この文章がアップされたときに、私は果たして笑顔なのかそれとも・・・
ですが、年に一度の大会で、多くの実践者の方とお話をしたり、実践をうかがったりできることがとても楽しみの3日間です。
今回のブログでは、本大会でビジョントレーニングについてのポスター発表をいたしますので、その紀要原稿とポスターをご紹介します。
ここから紀要原稿です
眼球運動に困りのある児童へのアプローチ
LD通級指導教室におけるビジョントレーニングの実践を通して
○○○○(○○県○○町立○○小学校) ○○○○(オプトメトリスト)
1.目的
LD通級指導教室を利用する児童の中には、音読の際に逐次読みとなってしまったり、行を飛ばしてしまったりするなどの困りを見せる者が少なからず存在する。
「読む」という活動のベースには、感覚入力器官として視覚機能の存在があり、その入り口である眼球運動の巧みさは、パフォーマンスへ大きく影響していると考えられる。
そこで、本研究においては、逐次読み等、音読時の困難を持つ児童への指導を通し、その変容をまとめ、今後の実践の深化に繋げたいと考えた。
2.方法
(1)対象児
小学校4年生9才 女児(09年6月現在)
(2)指導期間
2008年9月〜2009年6月
(3)指導方法
週に1回、90分の通級による個別指導
(4)指導内容
a)インフォーマルアセスメント
b)フォーマルアセスメント
c)ビジョントレーニング
d)DEMによるパフォーマンスの追跡
e)在籍教室へのフィードバック
3.結果
(1)アセスメント
・対話や歌唱の際の音声言語表出については問題がない
・逐次読みや勝手読みが見られる。
・記憶した文や範読直後の模倣では、正しく音読できる。
・枠内書字が難しい。
・「WISC−V」VIQ84 PIQ61 FIQ70
符号と組み合わせの評価点が低い
(2)ビジョントレーニング
○読みの困難の主要因として、跳躍性眼球運動(サッカード)の困難さが、単語のまとまりの素早い把握、次のまとまりへの視線移動に影響を及ぼしているととらえ、学習課題を設定した。
・数読みサッカード課題・・・縦方向横方向斜め方向に視点を移動する。本児においては横読みの際の首振りが強く見られた。
・矢印体操課題・・・矢印の指す方向(上下左右)を順次音声表出する。行単位でのとばしや同一箇所の読みが見られた。また、左右弁別の難しさも見られた。
・単語カード追視課題・・・単語カードを動かしながら提示し、児童が読み上げる。バランスボード上などバリエーションをつけて行う。認識できた文字からの勝手読みが見られた。
(3)DEMの推移
双方ともに、所要時間の短縮が見られる。特に横読みについての向上がみられる。行単位での読み飛ばし、同一箇所の読み重ねが減少している。
(4)在籍教室へのフィードバック
個別指導における本児の特徴から以下のことを在籍教室において配慮するよう要請した。
・拡大教科書、分かち書き線書き入れ
・型抜き紙の使用
・範読CDの貸し出し
・板書中の要点を張り付け黒板に書く。他児の板書終了後は本児の近くに黒板を移動し、転記しやすくする。
4.考察
音読や書字など視覚スキルが必要とされる学習において、認知の問題以前に、眼球運動のパフォーマンスについて、アセスメントを行う必要がある子どもは少なからず存在する。
改善に時間を要するスキルであるため、より下位学年での発見、支援の早期開始が求められる。また、眼科医やオプトメトリストとの連携体制を構築し、多面的で効果的な支援を行っていきたいと考える。
ここまで紀要原稿です
ここからポスターです。3分割で紹介します。
まずは、上段。
ここでは小池先生や竹田先生の著書を参考に、文字を見て音読するまでの一連の流れを示しました。
その中で、「眼球運動」や「視知覚」がどこに位置しているのか、それぞれにはどんな困りの種類が関連するのかをまとめています。
中段です。
事例としてあげたお子さんの主訴及びフォーマル・インフォーマルアセスメントを元に、指導仮説をまとめています。
下段です。
実際の指導の様子を写真を交えて掲載しています。
加えて、DEMの推移と、所属学級へのフィードバック、今後の支援の方向性についてまとめました。
文字数が限られた中で構成していくのは本当に難しいですね。
でも、自分なりにまとめながら、このお子さんへのこれまでの支援を振り返ったり、今後を思い描いたりできたことはとても有意義でした。
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