保健室に毎日放課後やってくるA子という子がいる。
この子はブラスバンド部に入っているのだが、顧問の先生のことがどうも好きでない。
理由は、「いつも決まった生徒ばかり声を掛けていて、えこひいきをしている」というのだ。
『ふん、ふん・・』と毎日私は、愚痴を聞いていた。
話しを聞いてあげるだけでも、気持ちが落ち着くだろうと思っているからだ。
そのA子が今日またやってきた。
今日はいつもと違って、ニコニコ笑顔。何かあったのかな?と思っていると、
「あのさあ・・・あの先生(顧問)、それ程悪い人じゃないかも。」とA子。
へ〜何かあった?と聞くと、
「先生がね、『部員の皆にあげるドーナツを買うから、一緒に来てくれないか』って私、言われて、先生と買ってきたんだよ」
なるほど、いつもはぜんぜん声を掛けてくれないので、先生が自分のことを考えてくれていないと思っていたA子は、このことで先生が自分の存在を忘れていないことを確信したらしい。
高校生といっても、まだまだ子供。(子供じゃなくても、同じことを感じるかも知れないが)
自分の存在を認めてもらえることは、やる気に大いに関係があると再確認した出来事だった。 |